
この記事をまとめると
■日産のハイブリッド技術「e-POWER」が第3世代に進化して現行型キャッシュカイに搭載
■キャッシュカイはデュアリスという名前でかつて日本でも販売されていた
■日本への最新e-POWER導入は2026年の新型エルグランドからを予定
第3世代e-POWERを欧州市場向けSUV「キャッシュカイ」に搭載
日産が誇るハイブリッド技術「e-POWER」が第3世代に進化した。EVのような滑らかな走りと充電いらずの手軽さはそのままに、燃費と静粛性がさらに向上。WLTP基準で4.5L/100kmという優れた燃費性能を実現し、最大航続距離はなんと1200kmにも達するとのこと。この最新ユニットを搭載する第1弾モデルが欧州市場向けSUVの「キャッシュカイ」で、2025年9月より欧州市場で販売が開始される。
ここで「キャッシュカイ? なにそれ⁉︎」と思った人も多いはず。じつはこのキャッシュカイ、かつて日本では「デュアリス」の名前で販売されていたモデルなのだ。
デュアリスは初代エクストレイルと同じプラットフォームを採用し、日本車として初めてザックス製のハイスピードコントロールショックアブソーバーを装備。オフロード志向のエクストレイルに対し、街乗り主体のSUVとして企画されたモデルだった。
質実剛健な中身は高く評価されたものの、外観のインパクトがやや控えめだったこともあり、残念ながら販売は思ったよりも伸びなかった。そのため2代目へのモデルチェンジを機に日本市場からは姿を消すこととなった。とはいえ決して失敗作ではなく、クロスオーバーSUVの礎を作ったモデルとしていまも高く評価している人は多い。
欧州ではベストセラーSUVとして販売台数1位も記録
しかし海外では、モデルチェンジを重ねながら着実に進化を続け、2021年に登場した現行3代目では大胆なデザイン刷新を実施。Vモーショングリルを採用し、よりスタイリッシュなフロントマスクへと変貌を遂げた。2022年には欧州で初めてe-POWERを搭載し、さらに発電専用エンジンには世界初の可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用。先進安全装備の「プロパイロット」も搭載するなど、日産の最新技術が惜しみなく投入されている。
その結果、2022年にはイギリス市場で4万2704台を売り上げて販売台数トップを記録。欧州では名実ともに日産のベストセラーSUVとして君臨している。
2024年にフェイスリフトを行い見た目も機能も最新鋭に進化
さらに、2024年にはフェイスリフトを実施し、よりシャープで先鋭的なデザインへと進化。ちなみにこのフロントグリルは日本の甲冑の「鱗(うろこ)」模様からインスピレーションを得たという。
装備面では最新のインフォテイメント技術「NissanConnect」を採用。スマホアプリと連携し、目的地設定やエアコン操作、車両状態の通知、メンテナンス管理まで一括で対応。
EV向けには電力の使用状況に応じた効率的な充電スケジュールも提案してくれるれ、さらにGoogleビルトイン機能も搭載する。
そして今回の第3世代e-POWERの採用である。2022年に初のe-POWERが搭載されたキャッシュカイとエクストレイルは、2024年1月時点で欧州累計販売台数が10万台を突破。今回の新型e-POWER搭載モデルも同様にヒットモデルとなる可能性は高い。
そうなると気になるのが日本市場への導入だ。第3世代e-POWERは、まず2026年登場の新型エルグランドに搭載される予定。そしてSUV人気が続くいまだからこそ、e-POWER採用モデル第2弾としてキャッシュカイの再上陸に期待したいところ。
……というわけで日産さん、経営再建計画「Re:Nissan」の一環として、どうせなら「デュアリス」の名前でキャッシュカイの投入を考えてみてはいかがでしょうか?