
この記事をまとめると
■全国のガソリンスタンドの数は1994年をピークに減っている
■最近ではコンビニやコーヒーショップを併設するガソリンスタンドも増えている
■給油したいと思うとガソリンスタンドが見当たらないというのは「ドライブあるある」
ハイブリッドの普及でガソリンスタンドは減った
先日筆者の生活圏内にあるバイパス(国道)と県道が交差する交差点の角地(更地)にある工事予告の看板が目に入った。その看板には新たにガソリンスタンドを建設する旨が書かれていた。その更地の隣には筆者が小学生のころから建物そのままに営業を続けるガソリンスタンドがあるので、おそらくここも取り壊して敷地を拡大してガソリンスタンドを新設するのではないかと考えている。
あるウェブサイトによると、全国のガソリンスタンドの数は1994年の約6万店舗をピークに、2017年には3万店舗を下まわることとなった。その後店舗数は微減もしくは横ばい状況が続いているようである。
ちなみに日本よりはるかにBEV(バッテリー電気自動車)の普及が著しい(いまは鈍化傾向も目立つが)カリフォルニア州でのガソリンスタンド数の推移をみると、2010年から微増傾向にあるともいえる状況となっている。
日本でガソリンスタンドの廃業が目立つ理由についてはいくつかある。①後継者不足、②消防法の改正による40年以上経過した地下タンクの改修や交換が必要になったものの、そのコストを負担できない、などがあり、ここ数年では原油価格の高値安定のなかでの利益の減少というのも目立っているようだ。日本ならではといえば、HEV(ハイブリッド車)の普及により、個々のクルマの給油頻度の減少が顕著になったというものもあるとされている。
ちなみに日本の法人タクシーではLPガスを燃料として使うことが都市部ほど多く、タクシー専用車ともいえるトヨタJPNタクシーもLPガスエンジンベースのハイブリッドユニットを搭載している。ハイブリッド仕様となりそれまでのタクシー車両に比べ燃費性能が倍増したともされている。
タクシー需要の減少から地方部ではLPガススタンドの廃業がそもそも目立ち課題となっていたのだが、JPNタクシーがいち早く、そしてめざましく普及した東京都内ではJPNタクシーの燃費性能の高さもあり、LPガススタンドでのタクシーのLPガス充填回数が減少し、タクシー需要が地方部ほどは顕著に減っていない東京23区内のLPガススタンドであっても廃業が目立っているとされている。
話を戻すと、さまざまな理由からガソリンスタンドの経営は苦しく、廃業(閉店)が目立っているものの新規開業(開店)もないわけではない。2024事業年度(2024年4月から2025年3月)締めでのガソリンスタンド閉店数431に対し、開店数は34となっている。差し引けば閉店数のほうが多いのだが……。