
この記事をまとめると
■首都高ほどユーザーアンフレンドリーな都市高速道路は世界中を見渡してもほとんどない
■2022年4月1日の料金改定により首都高の普通車の料金上限は1950円となった
■交通ルールを守っている限りは何周走っても非合法とはいえず出口で清算される料金を支払えばOK
首都高を制限速度で何周も回るのって違反ですか?
首都高を練習のために周回してみたい? 何のための練習かはわからないが、首都高ほどユーザーアンフレンドリーな都市高速道路は世界中を見渡してもほとんどないだろう。車線や合流、出入り口の複雑さ、交通量の多さ、高低差、カーブの多さ、どれをとっても「初見殺し」といっていいレベル。
そんな首都高を「走り慣れておきたい」ということで、C1(都心環状線)やC2(中央環状線)、湾岸線その他を組み合わせて、何周も周回したい、とするならその気もちはわからなくもない。
しかしご存じのとおり、2016年4月から対距離料金制度へ移行している。つまり、走った距離に従って、料金が加算される仕組みで、2022年4月1日の料金改定により、普通車の上限は55.0km以上の利用で1950円となった。
そういう意味では、入り口と出口を工夫して、利用料金が1950円になるようにすれば、何周走っても、何km走っても、一応ルール違反にはならないといえる。
一方で「首都高料金ガイド」には、「経路選択について」次のように記されている。
「出発地(首都高の利用を開始する地点)から到着地(首都高の利用を終了する地点)までの区間を結ぶ経路が複数存在する場合は、お客さまの実走行経路にかかわらず、首都高のみを利用する場合の最短経路の距離を料金距離とします。なお、往復で経路が異なる場合は、往路または復路のうち、最短となる経路の距離を料金距離とします」
つまり、C1やC2をぐるりと周回してきても、入口と出口の距離が4.3km以下なら、利用料は最低金額の300円と計算されるということだ。
鉄道などでも、同じように東京付近特定区間では、「同一発着・同一料金」の制度を取り入れているので、それを利用して合法的にたくさん電車に乗って楽しんでいる「乗り鉄」さんもいるだろうが、鉄道の場合、折り返し禁止という制約があるので、同じ駅を複数回通過するのはNG。一筆書きルート限定が基本のようだ。
首都高の場合、現状では同一ランプを2回通過した場合の規定が見当たらないので、制限速度など、交通ルールを守っている限り、何周走っても非合法とはいえず、出口でETCによって清算される料金を支払えばOK。現金の場合は、初めから上限の1950円(一部区間を除いて)を徴収されるので、走行距離は無関係だ。
というわけで、首都高をグルグル周回すること自体は、違法ではないけれど、都会の難所ともいえるルートなので、“練習”といってもほどほどに。