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街道仁義はどこいった!? かつてトラックドライバーを務めトラックを愛する男が嘆くいまどきの身勝手運転 (2/2ページ)

街道仁義はどこいった!? かつてトラックドライバーを務めトラックを愛する男が嘆くいまどきの身勝手運転

この記事をまとめると

■かつてトラックドライバーは街道仁義を大事にしてきた

■渋滞時のハザード点灯もトラックドライバーから広まった習慣

■現在では自分勝手な運転をするトラックドライバーが目立つ

トラックドライバーとしての礼儀やマナー「街道仁義」

 街道仁義。一般の方にはあまり馴染みのない言葉かもしれないが、トラックドライバーの世界では昭和の時代から重宝されてきた、とても大切な存在である。1日の大半をトラックとともに過ごす彼らにとってみると、街道筋とは職場同然の存在。それゆえに互いが気もちよく、かつ安全に利用できるようにとの願いから、暗黙の了解やマナーが存在したのだ。

 前方の渋滞を後続車へと知らせるためのハザード点灯は現代でも広く推奨されているが、それもトラックドライバーの行為から派生したマナーであると考えられている。とはいえ、過積載運行は当たり前、速度抑制装置も存在しないという昭和の時代では、兎にも角にもトラックドライバーの運転は荒っぽかった。とくに鮮魚を運ぶ追っかけ便と呼ばれた彼らはつねに時間と戦っていたため、街道筋を文字どおりかっ飛んでいたのである。

 まさに無法者状態であったそんな彼らであっても、街道筋で急ブレーキをかける際には、後続のトラックにそれを知らせるためにハザードを点灯するなど、トラックドライバーたちは荒っぽい運転のなかでもつねに安全を心がけていたのだ。

 そのような街道仁義は、平成の時代になってより広まることになる。かくいう筆者も平成の時代を実際に大型トラックで駆け抜けたのだが、街道仁義によって救われたケースは数多く存在する。そして、ドライバー同士の気遣いが眠気やイラつきを緩和してくれるため、とても励みになったものである。

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