
この記事をまとめると
■夏は絶好のドライブシーズンだが愛犬家は要注意だ
■犬は暑さに弱いので車内環境のみならず出先での行動も注意したい
■犬向けの暑さ対策グッズも多数存在するので上手に使うように心掛けたい
真夏だからこそ気をつけたい愛犬とのドライブ
これから夏本番、夏休みシーズン。愛犬家のみなさんは、自慢の愛車で愛犬と行くドライブ旅行を計画しているかもしれない。しかしながら、今年の夏もまた猛暑。暑さが苦手な犬にとっては過酷なドライブ環境だ。そこで、モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある、もう数十年、大型犬、小型犬、中型犬と暮らし、毎月のようにドライブ旅行に出掛けている筆者が、安全安心快適な愛犬のクルマの乗せ方を紹介するとともに、夏の愛犬とのドライブ旅行の注意点をお伝えしたい。
まず、犬の乗せ方だが、セダン、ワゴン、SUV、ミニバンを問わず、特等席は後席だ。前席の飼い主の目が行き届き、犬にとっても安心できる場所である。そしてエアコンの風(冷風)が届きやすいことも、後席が犬の特等席である理由になる。
SUVやワゴンのラゲッジルームに犬を乗せているクルマのPR画像があったりするが、そもそもラゲッジルームは乗り心地面の配慮がなされていないし、エアコンの吹き出し口から遠く、3面がウインドウだから、前後席がエアコンの冷風によって涼しくても、ラゲッジルームはそうはいかず、1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できない犬にとっては、命にかかわる熱中症の危険度が高まる場所になるのだ。
ただし、ステーションワゴンなどで、後席が4:2:4分割で倒せるクルマであれば、真夏はともかくとして、春、秋、冬のドライブ旅行なら、2部分を倒し、ラゲッジルームと室内にスルー空間を設けてあげて、ラゲッジルームに快適なクッションを敷いてあげれば、ラゲッジルームにもエアコンの風が届きやすく、飼い主とのアイコンタクトもしやすくなり、お互い安心してドライブを楽しめるかも知れない。
そして、愛犬を後席(ミニバンのエアコン吹き出し口のある3列目席を含む)乗車させる際は、人間のシートベルト装着に相当するハーネス、または快適に乗れるドッグベッドをしっかりと固定して乗せてあげること。ペットカートでコットだけ外せて、チャイルドシートアンカーに固定できるタイプであれば、それも理想的だ。
また、汚れ防止にも役立つ後席全体を覆うシートカバーを装着した上で、犬にハーネスを装着し(首輪は危険。万一の際に首が締まる)、リードをフロアに落ちない長さにして、後席ヘッドレストに結ぶ方法もある。
後席装着専用のペットサークルとしては、わが家も長年使っている、ホンダ純正愛犬用アクセサリー、Honda Dogシリーズのペットシートサークルがおすすめだ。前後ヘッドレストにロープで固定する小型、中型犬専用品だが、サークルに底板が入っていて安定して乗れて、しかも左右にメッシュ窓があり、通気性はもちろん、飼い主とのアイコンタクト性にも優れたアイテム。
筆者がかつてホンダ車を愛用していた時代から、ホンダ車ではないクルマに乗っている今でも、これが小型、中型犬を後席に乗せる際は、ほぼベストということで、愛用し続けている。
同様の機能をもつものでは、筆者がプロデュース、デザインしたボルボ純正のドッグベッド・ハーフサイズがある。
大型犬、多頭の場合はどうか。それなら、これまた筆者がプロデュース、デザインしたVW純正のフラットベッド、ボルボ純正のドッグベッド・フルサイズがある。世界最高水準の機能、前側メッシュ窓によるエアコンの風の通りやすさ、前席の飼い主とのアイコンタクトのしやすさ、車内の汚れにくさ、清掃のしやすさ、そしてもちろん、底板とクッション入りによる愛犬の快適性、安全性を目指した逸品だ。ボルボ純正のドッグベッド・ハーフサイズ、フルサイズ、VW純正のフラットベッドはボルボ、VWの正規販売店で入手可能である。
ちなみに、ボックス型ミニバンの2列目キャプテンシートでも、ホンダ・ステップワゴンと日産セレナは(トヨタ・ノア&ヴォクシーは先代ならOK)、キャプテンシートが横スライドし、ベンチシート化できるため、大型犬、多頭の乗車にも対応する。その際はHonda Dogシリーズの後席にハンモック状に装着する、前面に肉球マークのメッシュ窓があるペットシートマットなどを使うとシート、車内が汚れにくく、愛犬も快適、安全に乗車できるようになる。
そして、運転は「急」のつく操作をせず、スムースで穏やかな運転を心がけること。犬は人間と違って車内でどこかにつかまることができず、急なクルマの挙動に弱く、クルマ酔いやケガの原因になるから要注意。エコモードがあるクルマなら、加速などが穏やかになるエコモードで走り、高速走行ではACC(アダプティブクルーズコントロール)を使うと、下手にアクセル、ブレーキ操作をするよりずっとスムースに走ってくれるから、実際、ボクも愛犬と高速道路を使ったロングドライブする際はACC走行に徹している。車内の喫煙、大きな音でのラジオ、音楽も厳禁。犬は鼻が利き、聴覚に優れているから、そのどちらも不快でしかない。