
この記事をまとめると
■ベトナムは二輪車大国だ
■歩道のそこら中に二輪車が路駐されており救急車まで置かれているほど
■ベトナムを含めアジアの多くの国では歩道が整備されておらず歩きづらい
ベトナムの歩道は歩きづらい!?
ベトナムの首都ハノイでの宿泊先から取材先までグーグルマップで調べると、徒歩で15分ぐらいだったので、「街並みを見ながら移動できてちょうどいいな」と、朝ホテルを出て取材先に歩いて向かった。しかし、歩き始めてすぐに「これは失敗かもと」感じた。それはベトナムだけではなく、アジアあるあるなのだが、歩道の整備が進んでおらず、あったとしてもじつに歩きにくいのである。
歩きにくいひとつめの理由が、バイクの駐輪台数が多いこと。アジアの新興国のほとんどはまだまだ四輪車より二輪車のほうが圧倒的に多く街なかを走っている。通勤や通学などでおもに使っているのだから、日中はオフィスや学校近くに駐輪するのは当たり前の話。そこで、歩道には駐輪する二輪車が溢れるのである。
しかし、ベトナムの様子はちょっと異なっていた。だいたいの国は乗ってきたひとがスペースを見つけて勝手に二輪車を停めていくのだが、ハノイでは駐輪場を管理するおじさんやおばさんが常駐して管理しているのである。駐輪場の利用方法は乗ってきた二輪車を管理するひとに渡すだけでOK。ホテルなどのエントランスにクルマを乗り捨てると、ホテルスタッフが駐車場へクルマをもっていってくれる、バレーパーキングのような方式になっていた。
管理するひとはバイクを預かると、自分たちが管理する区域でスペースを探して駐輪するのである。空きスペースができると、その都度管理するひとが預かっている二輪車を移動して、整理するのである。そのため、歩道のかなりのスペースが占拠されてしまっているのだが、かなり整然と駐輪されていたのが印象的であった。
歩道を邪魔するのは駐輪車両だけではない。
場所によっては四輪車も歩道に駐車しているのである。病院の周囲の歩道では、なんと救急車まで駐車していた。四輪車がまだまだ街なかで少ないので歩道を使えばなんとかなるのだろうが、そろそろ本格的な四輪車向けの駐車場整備が必要なのではないかと感じた。
そしてふたつ目が、途中で歩道がなくなることも多いという点。これもアジアあるあるなのだが、歩道を歩いていると突然歩道がなくなってしまうのである。歩道があったとしても、日本ほど路面がフラットというわけではないので、地面をよく注視していないと転倒する危険もあるのだ。
歩道の整備が進んでいないこともあるので、街なかを歩くひとが少ないのかと思いきや、訪れた6月は気温30℃前後で落ち着いているものの、とにかく湿気が多く蒸し暑いので、家やオフィスの近所ぐらいのレベル以外は歩くひとが少ないようである。
街なかを歩いていると、バイクタクシーが乗っていかないかと勧誘してくるのだが、それを断ると、「この街でこんな暑いなかテクテク歩く奴などいない(笑)」といわれたと、同行者が語ってくれた。
東南アジアではバイクタクシーや三輪タクシーなど、ラストワンマイルモビリティが充実している。ハノイ同様に歩道の整備が進まず歩きにくいこともあるのだが、暑さもあり地元のひとが歩きたがらないからこそ、ラストワンマイルモビリティも普及しているのだなと改めて感じた。