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天下のフェラーリだってやっちまうことはある! なぜか不人気な「V12+4座」モデルの悲哀 (2/2ページ)

天下のフェラーリだってやっちまうことはある! なぜか不人気な「V12+4座」モデルの悲哀

この記事をまとめると

■人気のフェラーリにも意外に評価が低い2+2GT系モデルが存在する

456GTからGTC4ルッソへと続く系譜は実用性と性能を両立

■現在は中古で狙い目ともされるV12モデルが再評価される日が来るか注目される

フェラーリといえどすべてが人気というわけではない

 ニューモデルが登場すればすぐに納車までの長い時間が話題となり、限定車に至っては発表時にはすでにソールドアウトとなっていることが常のフェラーリ。

 このような事情もあるのだろう、フェラーリには不人気車などというものは存在しないというのが一般的な認識だが、じつはフェラーリにも、人気薄のモデルというものが存在する。その代表的な例といえるのがフルサイズの2+2GTだ。

 今回はこのフルサイズ2+2GTを紹介しようと思う。スタート地点は1992年に発表された「456GT」。この456GTでは、5473ccの新開発V型12気筒エンジンの搭載など、技術的な話題性も大きく、その前作にあたる「412」の直線基調から、流麗な曲線で構成されたよりダイナミックなデザインに変更されたボディも、フェラーリの2+2GTに新時代が訪れたことを印象づける大きな要素だった。

 442馬力を発揮したV型12気筒エンジンは、456GTの最高速を302km/hにまで導き、さらに1996年になると、6速MTに加えて4速ATを採用した「456GTA」も登場。1998年には大幅なマイナーチェンジが行われ、車名も新たに「456M GT/GTA」に改められた。結果的に456シリーズは3300台弱が生産されたが、残念ながら現在ではその人気はあまり高くはないというのが実情なのだ。

 456シリーズの後継車として2004年に発表された「612スカリエッティ」も同様だ。ピニンファリーナで当時デザインディレクターを務めていた、日本人デザイナーの奥山清行氏による612スカリエッティのスタイルは、現在の目で見てもじつに魅力的なもの。ボディサイズは456シリーズからさらに拡大され、2+2GTとしての実用性もさらに高められた。

 搭載エンジンは5748ccのV型12気筒で、その最高出力は540馬力という数字。315km/hの最高速も、デビュー当時には大きな話題となった。

 だがこの流麗な2+2GT、612スカリエッティも、なぜか現在ではその存在感は薄い。本来ならばもっと高く評価されてもよいモデルであると個人的には思うのだが。

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