
この記事をまとめると
■ベトナムではスズキの軽商用車の8代目キャリイをよく見かける
■ベトナム北部ではキャリイが「国民的商用車」といえるほど売れている
■いつかベトナムでも現行型キャリイを見られる日が来るのが楽しみだ
ハノイの街で定点観測をして気がついたキャリイの多さ
ベトナムの首都ハノイの街なかを歩いていると、かなりの頻度で見かけたのがスズキの軽商用車となるキャリイである。
スズキは1995年にベトナムにベトナム・スズキを設立し、ドンナイ県ビエンホアの工業団地に工場を建設した。そしてこの工場で1996年より生産されていたのがキャリイとなる。荷室部分のサイドガラスやリヤガラスの代わりに鉄板がはめこまれているブラインドバンとトラックがラインアップされていた。過去形となっているのは正式なタイミングは調べきれなかったのだが、VAMA(ベトナム自動車工業会)の統計を見ると、2024年12月までは販売台数が計上されていたので、ここまでは正式に新車として販売されていたようである。
ちなみにブラインドバンとトラックを合わせた2024暦年締めでの年間販売台数は2056台となり、ベトナム国内における北部で圧倒的に売れていた。つまり、ハノイで見る限りは「ベトナムの国民的商用車」とはなるのだが、全土でみると必ずしもそうでもないということらしい。2023暦年締めでの年間販売台数は3478台(北部でよく売れていたことは変わらない)となっていた。
本稿執筆段階でベトナム・スズキのホームぺージを見ると、現状ではインドネシアから輸入されているスーパーキャリイプロ(トラック)のみがラインアップされている。VAMA統計ではこのスーパーキャリイプロ以外にキャリイプロCKDというものが存在している。CKDとなっているので、ベトナム国内での生産モデルのようだが、販売台数をみると圧倒的にスーパーキャリイのほうが多くなっている。
ここでいうスーパーキャリイプロは日本でのスーパーキャリイではなく、新興国向けの日本の軽自動車規格より大きい小型トラックとなっている。キャリイプロも同様となっているようである。