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【試乗】今冬の新作スタッドレス「ブリヂストン・ブリザックWZ-1」をいち早く試した! 恐怖のアイスバーンのグリップも舗装路の乗り味も「乗ってわかるレベル」で進化!! (1/2ページ)

【試乗】今冬の新作スタッドレス「ブリヂストン・ブリザックWZ-1」をいち早く試した! 恐怖のアイスバーンのグリップも舗装路の乗り味も「乗ってわかるレベル」で進化!!

この記事をまとめると

■ブリジストンはスタッドレスタイヤ新製品のブリザックWZ-1を発表した

■試乗コースは一般公道とスケートリンク

■比較したモデルはスタッドレスタイヤのWZ-1・VRX3とラジアルタイヤのNEWNOだ

ブリヂストンの新作冬タイヤ「WZ-1」の新技術とは?

 太陽さんさん降り注ぐどころか肌を突き刺すような紫外線や赤外線に、摂氏40度に迫る空気そのものが暑いなか、”砂漠でオアシス”とはこのことをいうのだろう、アイススケートリンクに一歩入ると、瞬間冷却で一気に生き返る感に感動すら覚える。夏はやっぱりアイスだ!?

 とはいえ、冷凍庫のような建屋は10分もいると寒気を覚える。それでもこの場に立つ意味は、今冬に向けてブリヂストンが早くもスタッドレスの新作であるブリザックWZ-1を発表したからだ。その試乗会を一般公道とアイススケートリンクの氷盤のうえで開催した。スタッドレスに限らずレースでもそうだが、タイヤはひとつの基準に対して「次(新作)はどこがどう変化したか?」、そこを探り体感して技術の裏付けから判定する。

 WZ-1の新技術は発泡ゴムの進化版、Wコンタクト発泡ゴムを採用。タイヤ接地面にある水分がグリップ力を低下させる。これに対して、「親水性向上ポリマー」を配合した新しいゴムは、水に触れると覚醒してグリップ力に変換するという発泡ゴムの進化版だ。

 さらに、「ロングステイブルポリマー」が氷上でもっとも重要なブレーキ性能を引き上げると同時に、その性能を長く維持する。V字からL字ブロックに変化したトレッドパターンの引っ掻き効果、接地面への水の侵入を抑制する効果、接地面の水を吸いあげて回転で飛ばすことも、接地を確実なものにする。

「ほんとか?」と疑いたくなるのが、新品から冬を約4シーズン使ったWZ-1といままでの主力銘柄であるVRX3の新品と比較して、氷上ブレーキ性能が変わらないという点。これはぜひ体感したい。なので今回、経年による変化と摩耗品に試乗したいとリクエストした。

 試乗の流れはWZ-1の一般公道、市街地から高速を含めた試乗と撮影をまずはじめに行う。続いて同じ車種に履かせた、標準的なラジアルタイヤ、NEWNOとWZ-1を比較する。試乗は、舗装の荒れた路面が目立つ公道を選んだコースを設定だ。これもじつは興味深い。

 最後にスタッドレスタイヤのメインの性能となるスノーとアイス性能だが、やはり条件として厳しい凍った路面、ツルツルに滑る路面での性能確認。とくにブレーキ性能は最重要課題なだけに、進化が確認できるほど違うのか? そこは現行品であるVRX3と新商品WZ-1の比較になる。アイススケートリンクの真っ平な氷盤は、あくまでもアイス性能の基本確認としてしか捉えていない。いうまでもないが、一般公道にこんなに真っ平な条件はないからだ。

 さて、まずは日産アリアのWZ-1装着試乗車で敷地内の駐車場から公道へ。公道に出る縁石の段差と路面との当たり方に、柔らかさを感じ取れるところがスタッドレスらしい。外気温40度に迫る暑さは当然ゴムをやわにする。それを差し置いても、基本的な柔らかさを感じる乗り味は、まるプレミアムコンフォートタイヤ並。じつに滑らかで心地いい。

 市街地から高速に入る合流のランプは、大きくまわり込む旋回が続く。ステア操作に対する応答にブロックの捩れからくる応答遅れもなく、通常のサマータイヤのように素直に曲がり始める。バッテリーEVであるアリアの2トン級車重を、スタッドレスタイヤながら、真夏のドライ路面でしっかりと支えている点は驚きだ。

 高速直進安定性の高さも、本線合流からすぐに手に伝わる。ステアリングの中立、ニュートラル付近に直進の壁感があり、しっかりと安定する。新品タイヤだけにブロックも高さがある。つまり、溝も深く、たわんだり捩れやすいはずのブロックの剛性感もしっかりしている。高速走行中の急な割り込み、障害物を避けるなど素早い転舵による危険回避はどうか?

 急な操作も常識の範囲で試してみたが、ブロック剛性の高さのおかげで、不穏な動きや不安定な姿勢にならないところはスタッドレスタイヤとは思えない。ただ、高速100km/hで通過する舗装のジョイント部の段差が大きいところでは、縦方向の衝撃をブロックが変形吸収したあとに硬い部分に当たり、上下方向の動きが急に止められる底付き感がある。柔いから硬いの変化、つながりの変化量が大きい気がした。

 スタッドレスタイヤにおけるドライ路面の高速性能は、じつは関東圏をはじめとした、非降雪地帯に住む者からするとじつに重要な要素。冬場でもあまり雪が降らない故に、ドライ路面での性能はある程度高くなければならず、それでいて摩耗を気にしながら過ごすことが数年続くのだ。ゆえに摩耗と経年劣化も、重要な要素となる。

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