
この記事をまとめると
■ここ10年ほどでネオクラシックカーが大人気となっている
■同じくらいの車齢でも人気がないモデルも存在する
■不人気モデルを持つ醍醐味は大いにあるがパーツが手に入らない問題が出てくる
人気なネオクラシックカーと不人気なクラシックカーの違い
旧車およびネオクラシックカーに属するクルマにスポットライトが当たるようになり、少なくとも10年以上が経過したように思います。憧れの存在となっているクルマがあるいっぽうで、ひっそりと忘れられたままのモデルも少なくありません。
当時から人気者だった旧車およびネオクラシックカーは、現代においても変わらず? それとも、何らかのきっかけで注目を集めるようになったケースもありうる? 人気と不人気をわけた「違い」を考察してみました。
■「●●vsライバル車(たち)」の構図があると強い!
「ソアラvsレパード」、「セルシオvsシーマ」、「AZ-1vsビートvsカプチーノ」、「ランエボvsインプレッサ」。そして「スカイラインGT-RvsNSX・スープラ・RX-7・GTO・フェアレディZ」……などなど。圧倒的な人気や存在感を放つ絶対的王者と、そのライバル。あるいは、機動戦士ガンダムのアムロ・レイとシャア・アズナブルのような宿命のライバルなど。競い合う相手がいるこそ、両車が引き立つ構図があると強い(注目度や人気が高くなる)ことはたしかです。
絶対的王者に憧れて実車を手に入れる人。絶対的王者を倒すべく、あるいはライバル車に惹かれて手に入れる人。それぞれに熱狂的なファンがつくことで、さらに人気が加速していきます。そして時代ごとに作られた数々のエピソードが、後世へと語り継がれていくのです。また、お互いを強く意識しているからこそ、進化のスピードがより早くなるといった事実もあります。オーナー同士もバチバチ(最近では、一部友好モードになってきているようですが)。この緊張感、ライバル心こそが人気の秘訣ともいえます。
■劇用車も強い!
「サーキットの狼」や「西部警察」、「あぶない刑事」シリーズをはじめ、「頭文字D」、映画「ワイルド・スピード」シリーズなどなど。漫画や映画、テレビアニメなどの架空の世界で活躍し、強烈なインパクトを残したクルマ(あるいはそのベース車)は中古車市場でも高い人気を誇ります。
「ハチロク」ことAE86型を例に挙げると、現役時代はカローラレビンの3ドアモデルの人気が高く、スプリンター トレノはどちらかというとマイナーな存在でした。しかし、1995年に週刊ヤングマガジン誌において「頭文字D」の連載がスタートし、作品が人気を獲得するにつれてこの人気が逆転していくこととなります。
また、2024年に映画「帰ってきた あぶない刑事」が公開され話題となった「あぶない刑事」シリーズにおける劇用車といえば、日産レパード。そのレパードの実質的なライバルといえば、トヨタ ソアラ(2代目)。この2台が現役当時の1980年代後半〜1990年前後、人気の高さ、そして販売台数でもソアラが上でした。
しかし、あぶない刑事の劇用車にレパードが起用されたことで、このクルマをこよなく愛するマニアが全国各地に現れ、活動の幅を広げていきます。ファンの熱量という点においては、いまやレパードがソアラを逆転しているといってもいいほどでしょう。
また最近では、幼少期に「グランツーリスモ」シリーズに慣れ親しんだ若い世代の人たちが自分が生まれる前のクルマに魅力を感じ、大人になって実車を手にするケースも増えてきました。