
この記事をまとめると
■道路には「視線誘導標」なる設備が設置されている
■ドライバーに注意喚起を促す役目をもっている
■反射板などを組み込み夜間でも見やすい工夫がされている
道路に設置された設備たちがもつ名前
クルマを運転していると、道路脇はいろいろな風景が流れていきます。道路の付帯設備にも用途に応じていろいろなものがありますが、通り過ぎるだけではあまりその設備に注意が向くことは少ないでしょう。
しかしそのなかでも、安全円滑な交通のためにドライバーの注意を向けることが目的の設備があります。速度指示や警告などを行う標識はその代表的な設備です。
また、そんな標識ほどハッキリと主張していませんが、しっかり目立つことでその使命を果たしている設備がもうひとつあります。それが視線誘導標と呼ばれるものです。
ここではそのあまり耳馴染みのうすい視線誘導標についてすこし掘り下げてみましょう。
■「視線誘導標」とはなんぞや?
視線誘導標は英語でデリネーターとも呼ばれ、商品名にはこちらが使われることも多くあるようです。
どのようなものかをザックリと説明すると、カーブなどの道路の形状を認識させる補助になるものや、縁石などの構造物を見付けやすくしたり、交通の流れの変化を知らせたり、横断歩道の存在を強調したりと、視界がよくないときにドライバーの注意を引いて安全確保を向上させるための設備のことを指します。
主に道路の側方(路肩、路側帯など)に設置され、赤や黄色などの目立つ色が使われ、夜間等でも視認できるように反射効果が付与されているものが多くあります。
この視線誘導標は道路の敷設のガイドラインを定める国土交通省(当時の建設省)によって1984年に通達された法案に則って設置されているようです。
■具体的にはどんなものがあるの?
視線誘導標の具体例を見ていきましょう。
●道路鋲
道路鋲というのは、その名前が示すように、道路に直接固定されている設備です。代表例は走り屋などにキャッツアイと呼ばれているチャッターバーでしょう。
中央分離帯の無い道の中央部分に設置されていることの多い、約30cmくらいの細長いひし形のアルミの塊のアレです。
設置の主目的は道路の車線を逸脱するのを防ぐためで、タイヤで踏んだときに車体やハンドルに大きな衝撃が加わることで逸脱を知らせるという仕組みです。
その独特な形状は、タイヤで踏んだときにもとの車線に押し戻す効果があるそうです。また、その側面には反射板が仕込まれていて、ヘッドライトの光を反射させることで道路の線形を認識させる手助けとなります。
また、歩道の歩行者保護のために縁石が設置されている場合もあり、その上面に反射板を備えた小型の道路鋲が載っているケースもよく見かけます。
そして、これらの道路鋲には、ソーラ電池を備えてLEDなどで自己発光するタイプもあって、ヘッドライトの光が当たりにくい場所や歩行者のための視線誘導として使われています。