
この記事をまとめると
■若い世代は管理職に就きたがらない傾向にある
■面倒ごとが増えても収入アップにつながらないことが背景にある
■店長になるといままでの経験とは無縁の仕事を任されることが多く居場所に困る人も多い
最近の若手は出世欲がない
新車販売の世界に限らず、最近の若い世代は管理職(とくに中間管理職)になりたがらないと聞く。責任が重くなり、業務過多になるわりには給料がそれほどあがらない……つまりコスパが悪いのが、その理由のようだ。
中間管理職といえば、古くから上司と部下の間に挟まれながら日々働くことが不変となっている。それでも、大昔は出世するにつれてそれなりに給料が上がっていったが、いまや初任給ばかりが上昇する時代でもあり、中管理職どころか、その上の上級管理職すら望まない若者も多いようだ。ほどよく働き、その範囲で私生活をエンジョイする、それがいま流の生き方のようである。
そんななか、新車販売の世界では若い世代どころか、ベテラン世代でも管理職、つまり店長や営業所長(以下店長)という役職には就きたくないという話も聞く。
ディーラー個々で異なる部分もあるのだが、店長になると新車販売業務の一線を退き、店舗管理業務に専任となるのが一般的。つまり、新車を販売しないので、歩合給がつかないのである。その代わり管理職手当などがつくのだが、いまどきは十分納得できるようなものではなく、それなら現場に残って新車を販売し、セールスマージンを稼いだほうがいいということで店長職には興味を抱かないセールスマンも多いようだ。
新車販売についてのセールスマージンも、大昔に比べれば段違いに少なくなっているのだが、それでも「つかないよりは十分マシ」ということになるようだ。最近では販売現場でも働き手不足が深刻となっており、ベテランセールスマンを店長職に引き上げることもままならず、販売現場を知らないなか整備部門や、販売現場から離れて久しい管理業務などから店長に抜擢されることも目立つとのこと。
よくわからないなか店舗運営を任されるわけなので、現場のセールスマンとのコミュニケーションがうまくとれず、店舗全体の販売実績を下げてしまうということもあるようだ。