
この記事をまとめると
■左右がつながった足まわりを「リジッド」と呼ぶ
■ジムニーなど本格オフロード車は前後リジッドサスペンションが多い
■単に古いだけの形式ではなく実利があるから選ばれている
本格オフローダーはリジッドアクスルばかり
乗用車のプラットフォームをベースにしたクロスオーバーSUVが全盛だ。ストラットやマルチリンク、ダブルウイッシュボーンといったセダンやスポーツカーでおなじみのサスペンション形式でありながら、最低地上高は200mm以上と余裕を確保。これにより、悪路走破性と、ハンドリングや乗り心地といった快適要素を両立している。そうした走りにおけるオールマイティさはクロスオーバーSUVの魅力といえる。
しかし、そんなクロスオーバーSUVに対して「左右がバラバラに動く四輪独立懸架サスペンションでは本格的なクロカン走行は楽しめないぜ」と批判する声がオフロードマニアからあがることもあるようだ。
たしかに、スズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザー70といった、とくにクロカンマニアに好かれるオフロードが得意なクロスカントリー4WD車は、前後がリジッドの足まわりとなっている。
リジッドというのは左右が連結した構造のことで、日本語表記すると「車軸懸架」。AE86型レビン/トレノの後輪がリジッド形式であったといえば、どんな構造なのか想像しやすいだろうか。いずれにしても、乗用車の多くが四輪独立懸架に進化してきた。
そうした技術的な歴史を振り返れば、リジッドの足まわりを使っているジムニーなどのクロスカントリー4WD車は、進化に取り残された形式のように思えるが、それは誤解だ。
リジッドにはリジッドのメリットがあるから残っている。ハードなクロカン走行という前提で考えると、接地荷重と最低地上高の確保がリジッドの大きなメリットになる。