WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

予想外の人気だろうが生産能力が少なかろうが「納期遅延」はダメ! 新車の納期遅延や受注停止が常態化しているワケ (2/2ページ)

予想外の人気だろうが生産能力が少なかろうが「納期遅延」はダメ! 新車の納期遅延や受注停止が常態化しているワケ

この記事をまとめると

ジムニーノマドは受注を停止しているが問題はスズキの生産体制になる

■納期が長期化する発端は2009年5月に発売された3代目トヨタ・プリウスだ

■最近の自動車業界は生産効率を重視した結果として納期が遅延して売れ行きも低迷している

人気モデルの受注停止が常態化している日本車

 ジムニーの5ドアモデル、ジムニーノマドは2025年1月30日に発売され、4日後の2月3日に受注を停止させた。理由は受注台数が約5万台に達したからだ。

 受注台数が急増した場合、大半は発売前の予約受注を実施していることが多い。販売店では、発売日よりも前に実質的な販売活動を開始して受注を増やす。その結果、正式な発売日には、多量の受注を抱えて納期も遅れてしまう。

 ところがジムニーノマドは、予約受注をほとんど行っていない。ほぼ正味4日間で、5万台の受注を獲得した。これは日本の自動車史上、最速の大量受注になる。ジムニーノマドの人気は相当に高い。

 問題はスズキの生産体制だ。ジムニーノマドはインドの工場で生産する輸入車で、発売時点の1カ月目標販売台数は1200台であった。従来から販売していた3ドアボディを備えたジムニーシリーズの売れ行きは、ノマドと同じ1.5リッターエンジンを搭載するジムニーシエラが1カ月平均2154台、軽自動車のジムニーは3451台だ。以前から5ドアボディ発売が期待されていたジムニーノマドが1200台では、もともとの生産規模が小さすぎた。

 そして1カ月に1200台の登録では、受注した5万台の納車が終了するまでに3年半を要する。そこでスズキは2025年5月に、ジムニーノマドの輸入台数を1カ月当たり3300台まで増やすと発表した。

 販売店では、「ジムニーノマドの受注再開時期は不明」としているが、1カ月に3300台の納車が順調に進めば、2026年の中盤には5万台の納車を終了できそうだ。そうなると、ジムニーノマドが受注を再開するのは、納車終了のメドが立つ2026年2月ごろだろう。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了