
この記事をまとめると
■エンジンの働きを制御するのがタイミングベルトやチェーンだ
■ゴム製ベルトは静粛性に優れる一方で劣化が早く10万km程度で交換が必要となる
■耐久性と精度に優れるチェーン駆動が再評価されている
チェーン駆動再評価の流れがきている
シリンダー内をピストンが上下する4ストロークのレシプロエンジンでは、ピストンの動きと吸排気バルブの開閉が適切な時期に行われないと、双方がぶつかって損傷する懸念がある。もちろん、それが適切に行われなければまともにエンジンが作動しないのはいうまでもない。
ピストンが上死点から下死点へ移動するまでの間に吸気バルブが開き、新気をシリンダー内へ導く。次にピストンが上昇しはじめ、上死点へ向かうときには吸気バルブが閉じ、新気が圧縮される。もちろん、そこで吸気バルブが閉じなければ、上昇していくピストンと衝突してしまう。
新気を圧縮し、ガソリンと混合して(直噴ではなくポート噴射であればすでに混合気になっている)、点火プラグによって混合気が燃焼した力によってピストンは再び押し下げられ、回転力を生む。
ここまで排気側のバルブは閉じたままだ。ピストンが下死点まで下がり、再び上昇する際に排気バルブは開いて、燃焼し終えた排気をシリンダーの外へ出す。ただし、ピストンが上死点へ到達するときには排気バルブを閉じ、ピストンと排気バルブが衝突しないようにしなければならない。
以上のようなピストンの上下動と吸排気バルブ開閉時期の関係は、エンジン回転数の高低を問わず常に間違いなく実行される必要がある。