
この記事をまとめると
■イギリスでは商用車としてふたり乗りのランクル250が用意されている
■商用車はイギリス人にとって税制優遇された「お得なクルマ」という価値がある
■日本でも「イギリス仕様」を気取って発売したらそこそこ売れそうだ
大きな車体のランクル250なのにふたり乗り
ランクル250は国内だけでなく、イギリスでも大人気。つい先ごろは、リヤシートを省いたふたり乗りのコマーシャルビークルと呼ばれる仕様が追加され、リーズナブルな価格と相まって飛ぶように売れているのだとか。ところで、コマーシャルビークルとはどんなものかというと、戦前からある税制によって生まれたイギリス独特のジャンル。じつはランクルだけでなく、コマーシャルビークルとなった日本車はほかにもたくさん存在しているのです。
コマーシャルビークル、すなわち商用車はイギリス人にとって「お得なクルマ」という価値があるようです。というのも、1940年代から導入されている自動車税(VED)で、商用車に区分されたクルマは普通車に比べてはるかに低い税額が設定されているからです。購入時のコストが抑えられる、税金の年額が低いなどメリットは日本の商用ナンバーと等しいもの。
ですが、もちろんなんでもかんでもコマーシャルビークルとして登録できるわけではなく、厳然としたルールがあるのはイギリスでも同様。ちなみに、税制を含めた自動車文化については、日本は諸外国の後追いとなっていることはご承知のとおり。とりわけ、税制についてはずいぶんとイギリス式を踏襲している感がありますね。
イギリスで商用車として登録するためには、まずはふたり乗り(あるいはひとり乗り)であることが前提となるため、リヤシートは装備できません(折りたたみ式シートもNG)。そこで生まれたスペースは荷室として扱われるため、開閉する窓の装備も認められません。ランクル250でも、ジムニーでもリヤウインドウは暗色化が施されているだけでなく、開閉機構もオミットされているはずです。
ちなみに、上記のコマーシャルビークルはバンと称されることがほとんどですが、同じスタイリングでも窓が開閉可能なものはワゴンと呼ばれ、商用車と区別されるのもイギリスが発祥とされているようです。1960年代のミニにカントリーマン(ワゴン)と、リヤウインドウをパネルでふさいだバンがあったことを思い出せばわかりやすいかと。