
この記事をまとめると
■アスファルトの下には砂利や砕石が用いられる
■クルマの重さを分散し耐久性を高めるための構造になっている
■トンネルや橋ではより耐久性を重視した構造としている
アスファルトの下ってどうなってる?
国内の舗装路の多くはアスファルト舗装である。舗装したては黒っぽい表面で、年月を経ると灰色に色落ちしてくる。
では、その舗装は下へどれくらいの厚みがあるのだろう?
舗装断面には区分けがあり、1番上が表層で、その下の基層で5~10cm、さらにその下に路盤があり15~20cmの厚みがある。それらを合わせると、20~30cmの厚みで舗装工事が行われていることになる。
表層というのは、まさに我々が目にするアスファルト舗装の表面だ。通過するクルマの荷重(重さ)を分散し、交通の安全や快適性を保つ役目がある。
表層の下の基層は、さらにその下の路盤と、表層との間の不均一さを整える役目がある。また、表層と同じく、上からかかる荷重を分散するとともに、それを路盤へ伝えている。
路盤は、荷重をさらにその下の路床に伝えるとともに、上下二層になっている例が多いとされ、荷重を受け変形しにくい造りになっている。変形のしにくさのため、砂利や砕石が用いられ、上下二層にわかれている場合は、上層には粒の大きさを揃えた砕石を使い、表層が変形しにくいようにする。
以上がアスファルト舗装の断面構造だ。そしてその下に、地盤と呼ばれる土の地面があって、これを路床という。その深さはおよそ1mだ。また、さらに下には路体と呼ばれる区分けがあり、そこで路床の荷重を受け止めている。
これが多くのアスファルト舗装の構造とその厚みだが、このほかにも簡易舗装と呼ばれる例や歩道があり、それぞれ別仕立てになる。
簡易舗装とは、たとえば小規模な駐車場や、駐輪場、そして交通量の少ない道路などのアスファルト舗装のことをいい、この場合は基層がなく表層だけで、まさに言葉どおり簡易ということになる。表層の厚みも薄く、3~4cm。表層の下の路盤も15cmほどが目安だ。
歩道も表層が3~4cmで、基層のあるなしがあり、路盤は10cm程度になる。人が歩くだけでなく、自転車や車椅子の通行も考慮された構造だ。
ところで、橋のアスファルト舗装はどうなっているのか。
橋の上は道路が橋桁で支えられ、地面に接しているわけではない。そのため、特殊舗装の扱いになる。単にクルマの重さという荷重だけでなく、クルマが走ることによる衝撃にも耐え、また、雨や気温の変化にも慎重に対処しなければならない。そこで、舗装・防水・排水を総合的に設計した構造になっているのが特徴だ。
とはいえ基本構成は同じで、表層/基層の断面構造で、その下に橋梁としてのコンクリートや鋼板が設けられた設計となっている。
表層と基層はそれぞれ4cmの厚さだ。厚みは薄くなるが、地上と同じでは舗装自体の重さが増えてしまう。そのうえで、基層に使われるアスファルトは吟味され、ポリマー改質や硬質のアスファルトが用いられる。ほかに、防水層や接着層を、コンクリートや鋼板との間に設けることになる。
ちなみにトンネルは、日中であれば突然暗い環境へクルマが入り込むので、運転者が路面状況を認識しやすいよう明るい色の路面にしてある。
また、その区間はトンネル以外に道路の選択肢が限られる可能性があり、補修を頻繁にはしにくいため、耐久性の高い舗装にすることなど、一般の舗装路とは違った視点での設計が行われる。