
この記事をまとめると
■フェラーリが高く評価されるのは技術的な革新性と魅力的な美しさにある
■レースの先進技術をロードカーへ導入して高級スポーツカーの特別な存在となった
■車両を手に入れる難しさも心を熱く刺激して価値を高める要因となっている
なぜ自動車ブランドとして世界的に高い評価を得ているのか
世界にはスーパーカー、あるいは最近ではさらに高性能なハイパーカーと呼ばれる高級スポーツカーを生産するメーカーは数多く存在するが、それらのなかでもっとも高いブランドバリューを誇っているのはもちろんフェラーリだ。
2027年には創立80周年を迎える同社からは、それを祝して799台のみが限定生産されるアニバーサリーモデルであり、その最後の1台が2027年にデリバリーされる予定の「F80」も発表されているが、これまでの約80年間にフェラーリが生み出したモデルは、「ストラダーレ(ロードカー)」、「コンペティツィオーネ(レースカー)」のいずれにおいても、その魅力は一切変わることはない。
なぜフェラーリというブランドは、ここまでカーエンスージアストから高く評価されるのか。それはやはり技術的な革新性と、見る者の誰をも魅了する美しさにある。さらに付け加えるのならば、限られた生産台数、そして高価なプライスもまたその理由のひとつだ。
フェラーリがその先進性をアピールするために選んだのは、レースカーの世界で成功を収めた技術を積極的にロードカーへと導入していくことだった。そしてその戦略は見事に成功し、フェラーリは多くのレースで勝利を重ねるとともに、高級スポーツカーのなかでも特別な存在として語られるまでになったのだ。
フェラーリというブランドの価値を自分自身で十分に理解し、そして常にそのニューモデルに憧れを抱いていたカスタマーは、いつしかそれを手に入れたいという熱望をもつようになる。それが限られたものであるのならばなおさらだ。プライスタグに掲げられる数字などいくらであってもかまわないし、商品についても事前に多くの説明を必要とすることはない。フェラーリの限定車が発表されるときには、それはすでに完売しているという言葉が常套句のように続くのは、このようなスーパーリッチなカスタマーの行動があるからなのだ。
ちなみに限定車ではないシリーズモデルについてもその事情はさほど変わらないようで、フェラーリからは先日2年先までの生産枠はすべて埋まっている状況だという発表があった。