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なんじゃこの違和感たっぷりのミラーは? かつてSUVに装備必須だった「キノコミラー」の役割とイマドキSUVから消えたワケ

なんじゃこの違和感たっぷりのミラーは? かつてSUVに装備必須だった「キノコミラー」の役割とイマドキSUVから消えたワケ

この記事をまとめると

■2000〜2010年代のミニバンやSUVにはサイドアンダーミラーが標準装備されていた

■2016年のサイドビューカメラ解禁でサイドアンダーミラーはあっという間に消えた

■サイドアンダーミラーの激減はデザイン上の理由だけでなく安全上の理由もある

サイドアンダーミラーを見なくなったワケ

 20年ぐらい前のミニバンやSUVには標準装備されていたサイドアンダーミラー。保安基準上の正式名称は、「直前直左鏡(ちょくぜんちょくさきょう)」で、発進時や停車時に助手席側の車両のすぐ下の状況を確認するために装備されたもの。

 その形状から、「キノコミラー」「毒キノコ」などと呼ばれ評判が悪かったが、2003年から高さのあるボンネットを持つ乗用車及び小型トラック、中型トラックには、保安基準で設置が義務化された補助鏡となっている。

 その義務化は、いまも継続されているのだが、ここ十年、すっかりキノコミラー付きのクルマを見なくなったのはなぜなのか?

 それは2016年にサイドビューカメラが解禁となり、サイドビューカメラがあれば、サイドアンダーミラーがなくても、保安基準をクリアできるようになったからだ。

 もともと「キノコミラー」は悪評が高かったので、各メーカーともデジタルミラーのサイドビューカメラへの乗り換えが早く、あっという間にその姿を消した……。もっとも、デジタルミラー化がスピーディに進んだ理由は、「キノコミラー」のデザイン上のデメリットだけではない。

「キノコミラー」のような物理的な鏡は、まさに鏡像で後方下方を確認することになるが、デジタルミラーであれば正像で後方確認ができるので、より直感的に状況が把握できるメリットがある。

 それだけではない。キノコに似た物理的な鏡は突起物でもある。その突起物をなくすことで、歩行者との接触リスクを減らし、万が一、歩行者とぶつかってしまった場合も、ダメージを軽減するメリットも見逃せない。

 さらにいえば、デジタルミラーにすることで、ドライバーの視線の移動が少なく済み、トータルで安全性の向上に寄与することができることが非常に大きい。

 というわけで、キノコミラーをなくすことはスタイリング向上による商品力のアップもあるが、安全上の理由もそれ以上に影響している。もちろん物理的なサイドアンダーミラーもゼロにはならないだろうが、デジタル化が標準になる流れは変わらないだろう。

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