
この記事をまとめると
■トラックベースのキャンピングカー通称「キャブコン」が車中泊ブームで人気を集めている
■小型トラックをベースにボディ(荷台)部分にキャンピングスペースを架装した車両だ
■ワンボックスベースの「バンコン」と並んでキャンプ好きを中心に人気を集めている
荷台にキャンピングスペースを載せただけではなかった
昨今のキャンプブームと車中泊ブームで人気を集めているトラックベースのキャンピングカー、通称「キャブコン(キャブ・コンバージョン)」。小型トラックをベースにボディ(荷台)部分にキャンピングスペースを架装した車両で、広いスペースにリビングやキッチン、ベッドを備えた快適空間を形成。4〜7名のファミリーがゆったりと宿泊もできるパッケージになっている。キャンピングカーは別名「モーターホーム」とも呼ばれ、キャブコンの大きさやスペック、装備はその名にふさわしいものだ。
小型トラックベースなので、ほとんどの車両が普通免許で運転可能(車両総重量3500kg以上のモデルは準中型免許が必要)。コインパーキングに駐車可能なため、ハイエースやキャラバンなどのワンボックスがベースの「バンコン(バン・コンバージョン)」と並び、多くのキャンプ好き、旅好きファミリー層にも人気だ。
このキャブコンのベースとなるトラックは、一見するといすゞのエルフやトヨタのダイナ、日野のデュトロだが、じつはベースの車体を使用しつつ、キャンピングカーに特化した作りになっている。いすゞは「ビーカム」、トヨタは「カムロード」と車名も異なるのだ。また、2024年にいすゞからリリースされた普通車AT限定免許でも運転できる、だれでもトラック「エルフ・ミオ」ベースの「トラヴィオ」も登場した。
これらキャンピングカーのベース車両は、専用サスペンションや専用スタビライザー、リヤダブルタイヤが装備されるなど、足まわりやブレーキなどにキャンピングカーを用途としたセッティングが施されており、商用車であるトラックとは異なる快適な乗り心地と安全確実な制動性、走行性能を実現している。
カムロード(1997年)の登場以前、キャブコンのキャンピングカーは、ベースとなるトラックのシャシーをそのまま使用し、各キャンピングカーメーカーやビルダーが足まわりなどのセッティングをしていた。そこで登場したのがカムロード。日本RV協会がトヨタに開発を依頼した初のキャンピングカー専用シャシーだ。
こうして車両メーカーがキャンピングカー専用のシャシーを開発、製造することにより、キャブコンの走行性能や操作性・快適性は劇的に進化した。そして2024年、運転免許の制約もなく誰でも運転できるうえ、取りまわしも非常によい「エルフ・ミオ」ベースのシャシー「トラヴィオ」が登場したことで、キャブコンはさらなる車種が今後リリースされ、より多くのユーザーの好評を得ることになるだろう。