
この記事をまとめると
■トヨタ・アルテッツァは1998年販売のFRスポーティ&プレミアムセダンだった
■2001年にはアルテッツァのショートワゴン版「アルテッツァ ジータ」を発売した
■クルマ好きの若者でも買い求めやすいFRレイアウトのスポーティワゴンだった
懐かしくも魅力的に思えてしまうコンパクトスポーツワゴン
トヨタ・アルテッツァはトヨタが1998年から2005年まで販売していた、欧州のライバルとしてBMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスを想定したミドルサイズのFRスポーティ&プレミアムセダンだった。プラットフォームはプログレとその派生車のブレビアと共通。パワーユニットは2リッターと3リッターの直6エンジンを揃え、4速AT/5速ATのほか、6速MTを用意し、走り好きの若者にも好評だったのだ。その走りの資質が自動車の専門家にも認められ、1998-1999年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
そんなアルテッツァは2001年、「美しさと機能性を合わせもつ先進のデザインと、スポーツセダンのアルテッツァの走りの資質を高次元で融合し、既存のセダン、クーペ、ステーションワゴンにはない魅力を付与した新ジャンルのクルマ(当時のプレスリリースより)」として、アルテッツァのショートワゴン版といえる「アルテッツァ ジータ」を発売。
「流麗で軽快なシルエットが特徴的なデザインを創出するとともに室内空間のユーティリティを追求」したとされる。実際、荷室重視で箱型スタイルが多いワゴンとは一線を画したスタイリングが新鮮だった。とはいえ、荷室容量は後席使用時で390リットル、後席格納時で620リットルを誇った。
ボディサイズは全長4505×全幅1725×全高1420mm。ホイールベース2670mm。3ナンバーサイズとはなるものの、最小回転半径5.1mの小まわり性のよさもあり、日本の路上と駐車環境でも扱いやすく取りまわししやすいサイズであった。
室内は上質かつスポーティな空間演出がなされ、インパネ上部からセンタークラスター、シフトレバーまわりにかけて、樹脂感をなくした柔らかな印象をもたらすソフトフィール塗装が施された。「Lエディション」グレードには、シートサイド部に玉縁をあしらった本革とエクセーヌ表皮シートを標準装備。
荷室もフロアの高さを上下2段階に切り替えることができ、さらにフロア、バックドア、サイド部およびリヤシートバックボードをファブリックで覆うなど、プレミアムな仕立てにこだわりが見える。また、助手席にはシートバック前倒し機能を持たせ、シートバックテーブルとして活用できるなど、アウトドアライフを含むワゴンとしての使い勝手もしっかりと考えられていたのが特徴だった。