
この記事をまとめると
■クルマは必ずしも開発したメーカーが生産して販売するとは限らない
■かつての日本メーカーはライセンス生産やノックダウン方式によって多くのノウハウを得た
■協業生産の裏には開発費高騰によるリスクを回避する狙いがある
いろいろあるクルマの生産方式
新車の生産は、必ずしもそれを開発した自動車メーカーによってのみ行われるとは限らない。自動車の生産に関しては、ほかに、ライセンス生産/ノックダウン方式/OEM/バッジエンジニアリングなどという手法がある。
ライセンス生産は、ほかの企業が設計し、開発し、完成させた製品をそのまま、使用料(ロイヤリティ)を開発した企業へ支払い、生産することだ。
使用料を支払うことで、余分なお金が必要になると思うかもしれないが、そもそも、案を創造・企画し、それを設計し、試行錯誤しながら開発し、生産へもち込むまでの投資は、失敗の可能性を含め多大な額にのぼる可能性がある。それを省き、成果だけ手に入れることのできるのがライセンス生産だ。なおかつ、それを生産することを通じ、技術的知見を手に入れられる利点がある。そして販売することによる売り上げを期待できる。
ノックダウン方式は、運送しやすい程度に仕上がった組み付け部品や、ある程度組みあがった部品を用い、販売する地域の近くで生産する方法だ。現地企業の工場を活用するなどにより、拡販へ向けた投資を抑えることができる。
また、現地の工場は、ライセンス生産と同様に製造の知見を得ることができる。また、輸出入に関連しては、完成品での輸出入の関税を回避し、部品に対する関税で製品をほかの地域へ導入する手段にもなる。ノックダウンのやり方としては、製品すべての部品を輸送する場合と、一部を現地調達する場合がある。