
この記事をまとめると
■快適な文明社会を維持するには道路工事はなくてはならない
■交通量の少ない夜中の工事なら渋滞もできずに快適になるがすべてを夜間に実施することは難しい
■物流と住環境のバランスにより交通量の多い日曜昼がベストになることもある
休日の昼間に道路工事をするのには明確な理由がある
路面の補修のような道路自体のメンテナンス、水道などの埋設配管の交換などなど道路工事は日々行われている。こうしたインフラというのは、問題が起きてから修理するのでは影響が大きくなりがちで、問題が起きる前に維持管理を実施するのは基本といえる。快適な文明社会を維持するには重要な工事であることはいうまでもない。
そうはいっても、工事に伴う通行止めや片側交互通行などに出くわすと「交通量の少ない時間帯に工事をしろよ」とイライラして、文句のひとつもいいたくなるものだ。
しかし、すべての道路工事を夜間に実施するわけにはいかない事情もある。昼間に実施される道路工事には明確な理由がある。
たとえば、日本には『騒音規制法』や『振動規制法』という法律がある。これにより騒音や振動を伴う作業によって生活環境が脅かされないよう、作業時間帯などが規制されている。具体例をあげると、病院の近隣など1号区域に分類されるエリアにおいては、騒音や振動を伴う作業は7~19時に行うことが規定されている。それ以外のエリアでも22時までには騒音や振動を伴う作業を終えることが、これらの法律で定められている。
道路使用許可を得て実施される道路工事については、こうした規制の適用から除外されているが、それでも騒音や振動による周辺住民への迷惑を考えると、真夜中に工事を実施するというのは社会的に許されないといえる。そのため、工事により渋滞が避けられないことは承知の上で、交通量の多い昼間に道路工事を実施するケースが出てくるわけだ。
首都高速の工事実施ポリシーにおいても、『曜日は定めず、工事渋滞が予想されない交通量の少ない時間帯に工事を行うことを基本』としつつ、『大きな音の出る作業は、これまでどおり沿道の皆さまへの配慮から23時までに終了させるため、やむを得ず交通量の多い時間帯に作業を行う』ことがある、としている。