
この記事をまとめると
■クルマのドアは重力と使用による負荷でヒンジ部が歪み下がることがある
■閉まりにくさや異音のみならず悪化すると半ドア化など安全面にも影響する場合がある
■ヒンジやストライカーの調整・交換と定期的なグリスアップが重要
長くクルマに乗っていればドアも経年劣化する
地球上の物体はすべて重力の影響を受けている。クルマのドアも長年使っていると重力の影響で、ヒンジの反対側、ドアの後端が下がってくる。これをドア落ち、ドア下がりという。
とくにドアが大きくて重たい2ドアのクーペや、SUV、ミニバンなどで使用年数が長くなると、ヒンジやヒンジピンの経年劣化(歪み)、ヒンジ固定部の緩みなどが原因で、ドア下がり現象が生じやすいといわれている。
ドア下がりが起きると微妙にドアと車体の隙間がずれるので、ドアが閉まりにくくなったり、開閉時に異音が出たり、悪化すると半ドア気味になって、走行中にドアが開いてしまうことも。
症状が軽いうちなら、板金工場や整備工場にもち込んで、調整してもらうだけで解消することもあるし、ヒンジやヒンジピンを交換することで根本的な修理も可能。
ドアの閉まりが悪い場合は、ストライカーの劣化やズレも考えられるので、こちらも一緒に点検、調整を。ヒンジが摩耗している場合、ストライカーもキャッチ側との接続部の樹脂やラバーが損耗している可能性が大なので、一緒に交換してしまうのがおすすめ。
ドア落ちドア下がりは、ドアの開閉回数が多ければ自然に発生してしまうことなので特別なことではないが、普段から勢いよくドアを開け閉めしていたりドアポケットにたくさん物を入れっぱなしにしていたりすると、ヒンジへのストレスが増えてより劣化が早くなるので要注意。各部を定期的にグリスアップするような気配りも忘れないようにしたいところ。
また、ドアまわりに関してはチェックリンクも消耗することが知られている。ドアチェックリンクが傷んでくるとドアが途中で止まらなくなり、ドアが勝手に閉まったりしてかなり不便で、ちょっと危険。
チェックリンクもダメになったら交換するしかないが、いずれにせよドアまわりのトラブルは早期発見と早目のメンテナンスがポイントだ。