
この記事をまとめると
■エンジンにはつなぎ目などが数多く存在しそこからオイルや冷却水が漏れることがある
■オイルや冷却水の漏れを軽減する添加剤が存在するがオススメされることが少ない
■添加剤はあくまで不具合を一時的にしのぐためのモノで根本的な解決には至らない
添加剤が敬遠される理由
クルマの心臓部であるエンジンにはオイルや冷却水などさまざまな液体が使われている。いまさら説明は不要かもしれないが、エンジン内部の潤滑や冷却などを行うために使われており、非常に重要な役割をもっていることはいうまでもないだろう。
ただ、エンジンもさまざまな部品の集合体であるため、つなぎ目などから液体が漏れないようにパッキンやガスケット、バンドなどでその隙間を埋めているのだが、どうしても経年劣化などでその隙間から液体が漏れ出してしまうことがあるのだ。
そうなるとクルマを好調に保つことが難しくなり、故障のリスクが増えてしまうだけでなく、漏れのレベルによっては車検に通らなくなることもあるので要修理ということになるのだが、パッキンやガスケットなどは数百円で購入できるものの、交換をするにはエンジンの分解作業が伴うために工賃がかなりのものとなってしまうケースも珍しくない。
そこで気になるのが、カー用品店などで数千円から購入することができる「漏れ止め」を謳った添加剤たちだろう。本来は万単位の出費を覚悟しなければならないものが、数千円で直るのであれば安いものだ。
しかし、多くの専門店やショップなどは、「安易な漏れ止め剤の使用はオススメしない」といわれることが多い。
オイルの漏れ止め剤の多くは経年やエンジンの熱などによって硬化してしまったガスケットやオイルシールを柔らかくして、再び隙間をカバーできるようにするものや、エンジンオイルの粘度(硬さ)を高めて隙間から漏れにくくするものが一般的だ。
現実問題、このどちらも対処療法的なものなので、修理ではない。よって、短期間で再発してしまう可能性もあるし、そもそも効果がない場合もある。また、ガスケットやシール類を柔らかくするという効果も、漏れている部分だけでなくそれ以外の無関係な部分にも影響することで、かえって正常な部分にダメージを与える可能性も否定できない。
そして、ラジエターの漏れ止めに関しては、小さな亀裂を埋める作用をもつ添加剤となっていることが多い。使用することで漏れは止まるものの、ラジエター本来の水路も埋めてしまってオーバーヒートの要因となるケースも残念ながらないとはいえず、デメリットも存在するという観点からオススメしないお店が多いということなのだ。
ただ、絶対に使うことがダメというワケではなく、たとえば乗り換えのタイミングが迫っていて、残りの短期間なんとか運用したいとか、一旦添加剤でその場を凌いで、のちにしっかり修理をするなど、使い方によっては有効なケースもあるので、そのあたりも含めてお世話になっているお店と相談してみることをオススメしたい。