
この記事をまとめると
■江戸川ナンバーをはじめとした新しい地名のナンバーが誕生している
■ナンバーとして設定するにはエリア内の登録台数などに条件がある
■東京に限っていえば港区エリアでナンバーを作ることができそうだ
新しいご当地ナンバーを考えてみた
いささか旧聞に属する話題ではあるが、2025年5月7日、東京都江戸川区が足立ナンバーからの“独立”を果たし、「江戸川ナンバー」の交付が開始された。
ナンバープレートの地名表示は原則として国土交通省の運輸支局などがある場所が用いられるため、それまでの江戸川区民は、近隣である足立区の「足立」ナンバーを使わざるを得ない立場だった。
しかし近年、両区の人口はともに約70万人と拮抗してきたことで、江戸川区では「ナンバー独立」の機運が高まっていた。人口数の問題もあるが、「なんでオシャレな湾岸エリアもある我が区が、畑しかない(←偏見)足立を名乗らにゃイカンのじゃ!」というような、メンタル面での問題もあったのかもしれない。まぁそのあたりの事情は定かでないが、いずれにせよ江戸川区は、いってはなんだが、イメージ良好とはいい難い「足立ナンバー」からの独立に成功したわけだ。
となると、今後の焦点となっていくのは「次はどこが足立ナンバーからの離脱に成功するか?」ということだ。
考えられるのは台東区だろう。日本を代表する歓楽街だった浅草を擁し、その昔は誇り高き「北の玄関口」だった上野も擁する台東区が、いつまでも足立ナンバーに甘んじているとは考えにくい。そのため「台東ナンバー」あるいは「浅草ナンバー」を新設し、脱足立を図りたいところではあるのだが、いかんせんなかなか難しそうだ。
というのも、ご当地ナンバーの導入には「地域の自動車登録台数が10万台超」「住民の合意形成が図られている」などの条件を満たす必要があるのだが、台東区内の2025年3月31日時点における自動車登録台数は約3万5000台。そのため「10万台超」という条件をまったく満たすことができないのだ。
隅田川を挟んで隣り合う墨田区の約4万9000台も取り入れ、両区で合同の「浅草ナンバー」をゴリ押しで新設することはできるかもしれないが、そうなると今度は「浅草とはそもそもどの範囲を指すのか?」というセンシティブな部分で台東区民と墨田区民の抗争が勃発し、「住民の合意形成」など夢のまた夢となるはず。浅草ナンバーはいいと思うのだが、実現は難しそうだ。