
この記事をまとめると
■スロバキアで開発された「空飛ぶクルマ」はちゃんとクルマがベースとなっている
■ステファン・クラインがクライン・ビジョンという会社を設立し研究・開発を行った
■すでに販売されており2023年から納品が始まっている
正真正銘の空飛ぶクルマをスロバキアで発見!
大阪・関西万博に登場した空飛ぶクルマを見て、がっかりした方は少なくないでしょう。あれではドローンに毛が生えた危なっかしい乗り物にしか見えず、ヘリコプターと呼ぶのもおこがましいかと。世界で一番そんな思いを抱いているのは、スロバキアのステファン・クラインかもしれません。なにしろ、彼が作り上げたのは正真正銘の空飛ぶクルマなのですから。
2015年にスロバキアでプロトタイプが発表された空飛ぶクルマは、その名もエアロモービルと名付けられ、世界中から投資マネーが集中するなどニュースでも大きく取り上げられています。とりわけ、試験飛行中に墜落しながらも、機体パラシュートのおかげでパイロットが一命をとりとめたニュースは、ご存じの方も多いことでしょう。この命びろいしたパイロットこそ、エアロモービルの設計と開発をしたステファン・クラインその人なのです。
とはいえ、命びろいはしたものの、これで投資家の熱も一気に冷めてしまい、最初の会社はあえなく閉鎖。それでもクラインは独自に「クライン・ビジョン」なる会社を興すと、今度はエアカーという名で空飛ぶクルマの開発を継続。懲りない人だと思ったら、クラインは1980年から研究を続けていたとのことで、執念というか、「誰よりも空飛ぶクルマを作りたい人」ということなのでしょう。
その甲斐あって、2020年には飛行試験に合格するプロトタイプが完成。スロバキア国内で航空機の型式認証を受けることに成功しています。道路を走る認証はいまだ受けていないようですが、クラインは「スロバキア以外ならどこでも認証が受けられる」となかなか強気な発言をしています。