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怒鳴り声にケンカは当たり前! 「かつての中央卸売市場は荒くれトラック野郎の巣窟」元トラックドライバーが語る昭和の思い出 (1/2ページ)

怒鳴り声にケンカは当たり前! 「かつての中央卸売市場は荒くれトラック野郎の巣窟」元トラックドライバーが語る昭和の思い出

この記事をまとめると

■昭和から平成初期にかけての中央卸売市場は荒くれトラック野郎たちの主戦場だった

■セリに間にあわせるために命懸けで荷を運び怒号と渋滞が日常の光景となっていた

■時代が変わり厳格なルールが整備されたいまとなっては当時の熱気が懐かしくも思える

現代でこそ「荒くれ者」は姿を消したが……

 トラックドライバーはとにかくケンカっ早くてガラが悪い。そういわれていたのは、遠い昔のこと。いまでもやんちゃな人は数知れず存在しているが、荷主天下になった現代では、暴力的な粗相を働くことは決して許されない。そのため、女性でも参入しやすい世界になったのである。

では、ガラが悪かったといわれる昭和や平成初期の時代では、どのようなことが起きていたのだろうか。元大型トラックのドライバーである筆者が、荒くれ者たちの主戦場であった中央卸売市場でのエピソードを、いくつかお伝えしたい。

 中央卸売市場とは、全国各地に存在する鮮魚や青果などの流通拠点。全国で収穫された海産物や農産物が、この中央卸売市場に集まってくるのだ。それを運んでくるのが、今回の主役である荒くれ者のトラック野郎たち。過積載やスピード違反は当たり前、誰よりも先に荷物を運び届けるために、日夜街道筋をかっ飛んでいたのである。

 中央卸売市場では、その地域の仲買人たちによるセリが行われる。一般的なのは早朝5時で、鮮度のいいものほど高値がつくといった流れだ。セリに間にあわないと鮮度が落ちてしまうため、価格は半分ほどになってしまうことも珍しくない。そのため、トラック野郎たちはセリに間にあわせるために命をかけて荷物を運んでくるのである。

 そんな市場内は、常に活気に満ちている。トラック野郎たちはもちろんのこと、市場で働く人間たちも負けてはいない。そのため、毎日のように些細なケンカが発生していた。

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