
この記事をまとめると
■もともとAMGは大排気量エンジンと派手なエアロが代名詞のチューナーだった
■かつてのAMGを象徴するモデルがメルセデス・ベンツ560 SEC 6.0 AMGだ
■ノーマルが300馬力程度であったのに対してAMG 6.0は370〜380馬力を絞り出していた
メルセデス・ベンツのチューナーとして始まったAMG
クルマ好きが昔はよかったと発言するときは、たいていカスタムやチューニングがやりたい放題、コンプライアンスがタイヤのカスくらいに思われていたころを指しているかと。これは日本に限ったことではなく、遠くドイツの地でも昔のチューニングカーは半端なかったと、ことあるごとにいわれるのだとか。なにしろ、AMGなんてとにかく大排気量、ブリブリのエアロパーツ、室内はレザーとウッド、なんなら金箔も付けとくかって世界線でしたからね。そんな独立企業時代の代表作、560 SEC 6.0ワイドバージョンをサンプルにAMGを振り返ってみましょう。
1967年に創業したAMGですが、初期のトピックスとしては1971年のスパ・フランコルシャン24時間耐久でのクラス優勝がダントツ。大柄なSELボディに、これまた大柄なV8、しかも6.3から6.8リッターへ拡大しただけでなく、独自にツインカム化するという当時としては破格のカスタマイズ。
これでAMGの大排気量チューンというのが一気に広まり、裕福なメルセデスユーザーが「もっと速くしたい!」と大挙して押し寄せたのでした。
そして、1980年代を迎えメルセデスベンツがSクラス、Eクラスの刷新を遂げると、AMGもまた次なるステージへと駆け上がりました。それまでの、エンジンと足まわりのチューンアップだけでなく、流行り始めていたエアロパーツの開発にも取り組み、コンサバティブなスタイルを脱却。過激だとか下品だとまで評されたAMGルックを作り始めたのでした。
もっとも、当初はフロントとリヤにスポイラーを用意するくらいで、オフセットを変更したオリジナルホイール&車高短キットとの組み合わせがデフォルト。それでも、AMG独特の雰囲気が醸し出されたのは、やっぱり慧眼というかセンスがよかったのでしょう。
