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パンクした→お店でタイヤ交換だ……といってもトラックは乗用車のように容易じゃない! そんなケースに「出張タイヤ交換」なるサービスが存在した

パンクした→お店でタイヤ交換だ……といってもトラックは乗用車のように容易じゃない! そんなケースに「出張タイヤ交換」なるサービスが存在した

この記事をまとめると

■タイヤ交換はショップ依頼が一般的だが時間的負担が大きい

■工具を積んだ専用車が顧客のもとへ出向く出張タイヤ交換が拡大中だ

■電動化と車両の多様化で作業効率が向上しており市場拡大に期待が高まる

「タイパ」に優れたタイヤ交換

 タイヤを交換するとき、多くの人はショップに出向いて交換を依頼するだろう。タイヤの購入時間や待ち時間は別にしたタイヤ4本の交換時間の目安は、乗用車で30分~40分程度、小型トラックなら1時間前後は必要になる。大型トラックになると車種や車輪数にもよるが、軽く1時間半を超えると考えてよい。もちろん、作業人数・使用する機械や工具・リフトの種類などによって、相応の時間差が発生する。

 作業時間や作業に入るまでの待ち時間もそうだが、いちいちショップに出向く時間もバカにならない。場合によっては、1日仕事になってしまうこともあるのだ。そこで便利なのが、出張タイヤ交換サービスである。これは、タイヤを交換する工具や機器を車両に積み込み、客のところまで出向いてくれるサービスだ。

 その歴史は意外と古く、30年ほど前には業務用車両を対象に、タイヤメーカー系の販売店などが、出張タイヤ交換用車両を運用していた例がみられる。その際に使用された車両の多くは箱バン型か、平ボディに幌をかけた小型トラックで、荷台にはタイヤチェンジャー・ホイールバランサー・エアコンプレッサーなどを搭載。電源は車両本体や予備バッテリーからとり、リフトの代わりに油圧ジャッキを使用していた。20年ほど前からは、タイヤショップなどでも一般ユーザーを対象にして、同様のサービスを行うところが現れている。

 2025年6月に東京ビッグサイトで開催された「第38回オートサービスショー2025」では、最新の出張タイヤ交換サービス用車両が出展されていた。そこには従来の箱バンタイプのトラックだけではなく、フィアット・デュカトや日産キャラバンなど、ワンボックスカーをベースにした車両が並んでいたのだ。

 これらの車両は、箱バンの小型トラックよりはやや狭く感じてしまうかもしれない。しかし、タイヤのチェンジャーやバランサーなどといった機器が、作業性を考慮しながら最適化してコンパクトに配置されているのだ。また、これらの機器を電動化することによって、作動音や排気ガスの発生を抑えている。同車両は乗用車ベースであるために、トラックの運転経験がなかったり普通免許しかもたなかったりする作業員でも、運転業務に従事することが容易なのだ。

 ただ、ネックとなるのは料金である。もともと、出張タイヤ交換にはタイヤ料金・交換工賃に加えて出張費が必要になる。出張費が安価であったりとらなかったりする事業者もあるが、ほかの料金と調整して最終的にはカバーをしているのだ。出張費の一般的な相場は2000円~3000円ほどで、出張可能範囲は片道1時間程度でいけるところであることがほとんどだ。

 このように、まだ制限の多いサービスではあるものの、新たな車両が登場したことで、市場が拡大するのではと期待が膨らんでいる。

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