
この記事をまとめると
■1983年3月までは日本ではドアミラーは違法だった
■1983年3月以降はドアミラーが許可され日産のパルサーエクサが最初に採用した
■ウインカーを内蔵したりデジタル化したりと時代を重ねるごとに進化している
意外に賑やかなドアミラーの世界
クルマを運転する人であればお世話にならない人はいないといっても過言ではないドアミラー。一見するととくに進化をしていないようにも感じるが、じつは着実に進化しており、さまざまな日本初が存在しているのである。
日本初のドアミラー
いまでは当たり前となったドアミラーであるが、日本では1983年3月まではドアミラーのみの車両は認可されておらず、ドアミラーに変更することは、なんと違法改造となっていたのだ。
しかし輸入車の多くはすでにドアミラーが多く採用されており、1977年ごろからは輸入車のみドアミラーがOKとなり、1983年3月にはついに国産車もドアミラーがOKとなった。
そして国産車として初めて純正ドアミラーを採用したのが、同年5月にマイナーチェンジを実施した日産パルサーエクサで、空力特性のよさそうなデザインにマッチするものとなっていたのである。
日本初の電動格納式ドアミラー
駐車時や狭い道でのすれ違い時などに重宝するのが、スイッチひとつでドアミラーを畳むことができる電動格納で、今や軽自動車にも当たり前のように装着されているものだ。
この電動格納式ドアミラーを日本のみならず、世界で初めて搭載したのが1984年10月に登場した5代目ローレルで、ドアミラー解禁からわずか1年半程度でさらなる進化を見せたということになるワケだ。
ドアミラー自体は海外ではすでに一般的だったのに、あとから合法化となった日本車が世界初というのは不思議な感覚だが、海外ではあまり需要がないのか、いまだに海外仕様には電動格納式ドアミラーが備わらないモデルもある。
日本初のドアミラーウインカー
周囲からの視認性も高いドアミラーウインカーも、いまでは軽自動車にすら採用される装備のひとつだが、これを日本車として初めて搭載したのが2001年1月に登場した4代目の日産シーマだった。
そもそもドアミラーウインカーを世界で初めて装着したのが4代目のメルセデス・ベンツ Sクラスであり、当時は高級車の装備という認識が強かったのである。
採用時は、ミラーを破損した際のコスト増などのデメリットも挙げられていたが、視認性の高さに起因する安全性の高さのほうが有用と判断されたのか、いまでは特別感の少ないものとなってきている。
日本初のデジタルアウターミラー
2016年の道路運送車両の保安基準が改定され、基準を満たせば鏡ではない電子ミラーのみの車両でもOKとなったのだが、これにあわせて世界で初めてデジタルアウターミラーを採用したのが、2018年10月に登場したレクサスESだった。
21万6000円という高価なメーカーオプションとして用意されたデジタルアウターミラーだが、車両からはドアミラーと大差ないくらいはみ出るカメラステーが備わり、ダッシュボードの両脇に後付け感満載の5インチディスプレイが備わるなど、まだまだ過渡期を思わせる仕上がりとなっていた。
それもあってか実際に装着している車両を見かけることはほぼ皆無で、国産車で追従したのはいまのところ、2020年に登場したHonda eのみとなっている。
