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路線バスはドライバーも不足するし減便の一途! そんな交通過疎地域でいま「コミュニティバス」が注目されていた (1/2ページ)

路線バスはドライバーも不足するし減便の一途! そんな交通過疎地域でいま「コミュニティバス」が注目されていた

この記事をまとめると

■路線バスは全国的にドライバー不足が深刻だ

■全国各地でコミュニティバスに注目が集まっている

■都市部でも交通の空白地帯を埋めるためにコミュニティバスの導入が進んでいる

コミュニティバスに注目が集まる

 市民の足といえば、一般に鉄道や路線バスを思い浮かべるのではないだろうか。しかし、公共交通機関はいずれも収支が好調とはいえない。とくに路線バスは全国的に赤字のところも多く、いずれの事業者も経営に四苦八苦しているという。その理由は運行経費が高額であるにもかかわらず、公共性が高いので不採算路線の廃止や減便が簡単ではないからだ。さらに、「2024年問題」で運転手の残業時間が制限されるなどして、慢性的な人手不足に陥っていることも大きい。

 それでも公営交通であればある程度事業を支えることができるかもしれないが、民営事業者のなかには崖っぷちに立たされているところも少なくない。これらを解決すべく、近年各地でコミュニティバスの導入が進められているのだ。運営方法はさまざまであるが、多く見られるのは自治体が補助金を出して、民営事業者が請け負うといった形態である。コミュニティバスはワンボックス車を使うなど、運行経費を抑えるためにさまざまな工夫をしている。人口が減少して乗客が少ない地域でも、免許を返納した高齢者などの移動困難者の足として、大いに期待されているのだ。

 そして近年では、このコミュニティバスが人口の減少している過疎地だけではなく、東京や横浜といった大都会の人口密集地でも盛んに運行されているという。過疎地だからこそ通常の路線バスでは採算が取れないために、自治体が支える形でコミュニティバスを導入することが多いと思われがちだが、都会には都会なりの事情があるようだ。

 都会の人口密集地でも、すべての地域が買い物や医療機関などといった施設に近いわけではない。また、地方のようにクルマがひとり1台というわけではなく、自分で運転をしない高齢者などの移動は、公共交通機関に頼らざるを得ないのだ。しかし、通勤・通学路線として乗客が確保できなければ、路線バスは採算が取りにくい。結果的に、多くの場所に公共交通の空白地帯が生まれてしまうのである。

 東京都では港区や荒川区を始めとして、各所でコミュニティバスの運行が行われている。これには上記のような理由のほか、以下のような事情もあるとのこと。

・鉄道線の新規開業により、廃止された路線バスを再編してカバーする。

・区画整備が行われていない場所では、道路が狭くて中型バスが走れない。

・昭和期に開発された大規模団地は高齢者が多い。

・地形に起伏がある

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