
この記事をまとめると
■家族のために広い車内は必要だけど個性的なクルマがほしいなら輸入ミニバンがおすすめだ
■現在の輸入ミニバンのイチオシは話題のフォルクスワーゲンID.Buzz
■国産ミニバンほどの充実装備はないがそれを補って余りある個性こそ輸入ミニバンの魅力だ
家族もちにもオススメな輸入ミニバン
家族のために多人数乗車ができるミニバンは必要だけど、いや、街に溢れてる国産ミニバンじゃなくて、輸入車じゃないと……という輸入車ファンの人もいるはずだ。そこで、多人数乗車できる、またはMPVとして多用途に使えて車中泊まで可能な輸入車を紹介したい。
まずは最新の、話題沸騰のフォルクスワーゲンのID.Buzzだ。フォルクスワーゲン・タイプ2(T1)と呼ばれる、通称ワーゲンバスを現代にBEVとして蘇らせた遊び心満載の3列シートミニバンである。大きなVWエンブレムを鼻先に付けたエクステリアデザインはタイプ2のヘリテージを継承。24万2000円のオプションながらワーゲンバスの大きな特徴でもあった2トーンカラーも用意されている(この選択は必須だろう)。
インテリアは3列シートを基本として、Proと呼ばれる標準ホイールベース(全長4715×全幅1995×全高1925mm、ホイールベース2990mm)は2-2-2席の2列目キャプテンシートの6人乗り。Pro Long Weelbaseはその名のとおりロングホイールベース(全長4995×全幅19895×全高1995mm、ホイールベース3240mm)となり、2-3-2席、つまり2列目席ベンチシートの7人乗りとなる。
お薦めは、巨体ながらギリギリでファミリーユースとして成立する888.9万円からの標準ホイールベースのほう。こちらなら、2列目キャプテンシートゆえ、2-3列目席スルーも可能になる。もっとも、3列目席の乗降はスライドドアの開口部が幅広いため、ホイールベースにかかわらず、ウォークインでラクラク乗降できる。
そして3列目席の居住性に優れているのも特徴。身長172cmの筆者なら、頭上に170mm、膝まわりに100~245mm(2列目席のスライド位置による)ものスペースがあり、なおかつシート座面が高く、椅子感覚で膝を抱えることなく自然に着座できるから快適だ。もちろん、後席エアコン吹き出し口も完備され、3列目席にもUSBポートが備わる。つまり、ID.Buzzは巨大なボディサイズを生かした、1/2/3列どの席に座っても広々快適に過ごせるミニバンということだ。
走行性能も、慣れないうちはボディサイズに気を使う点はさておき、BEVならではの静かさ、マイルドな乗り心地(1/2列目席)、強力なモータ―パワーとトルクによる2550~2560kgもの車重を感じさせない余裕ある加速力を味わせてくれる。鼻先が短いので、慣れれば思いのほか運転がしやすいと感じられるかも知れない。
とはいえ、全幅が1995mmもあるため、自宅駐車場やよく止める駐車場の駐車容易性、よく通る道の通過性は要考慮。それがクリアできれば、乗員誰もが満足でき、毎日がワクワク感に満たされる、75年の時を経た現代版EVワーゲンバスとのオシャレすぎるライフスタイルを楽しみ尽くせるに違いない。なお、車載ナビ機能の用意はなく、後輪駆動である。
