
この記事をまとめると
■「もらい事故」とは自分に落ち度がなく相手の過失割合が100%となる事故を指す
■警察通報や連絡先確認など初動対応が補償確保の鍵となる
■後日に不調が発覚する可能性を踏まえて報告などを怠ってはならない
「もらい事故」はその場で解決しないことが重要
どれほど注意していても防ぐことができないのが「もらい事故」です。では、「もらい事故」とは、どのような交通事故なのでしょうか。今回は、「もらい事故」の概要や事例を説明するとともに、被害を受けてしまったときにしておくべきことを解説します。
「もらい事故」とは、過失割合が10:0の交通事故、つまり、相手側の過失が100%の事故です。
たとえば、信号待ちをしているときに後方から追突された、青信号の交差点を通行しているときに交差する赤信号の道路を走行してきた信号無視のクルマがぶつかってきた、対向車がセンターラインを越えて走行してきたために正面衝突してしまった、といった事故が「もらい事故」となります。
これらは、いくら自分が気をつけていても防ぐことが難しい交通事故です。このような事故が発生したときは、どのような行動をするのがよいのでしょうか。
「もらい事故」の被害を受けてしまったときは、次のような流れで対応します。
1.周囲の安全の確認(二次事故の防止)
2.怪我人がいるか確認(怪我人がいる場合は救護して119番通報する)
3.110番通報し警察に事故があったことを届け出る
4.交通事故の証拠を残す(ドライブレコーダーの映像や現場の写真など)
5.交通事故の相手に連絡先などを聞く(氏名、電話番号、住所、車種、クルマのナンバー、加入している保険会社など)
6.自分が加入している保険会社に交通事故があったことを連絡する
そのほかにもすべきことはいくつかありますが、最低でも上記の行動をしておくことが重要となります。
とくに、警察への通報や相手の連絡先および加入している保険会社などを聞いておかなかった場合、もらい事故で泣き寝入りしてしまう可能性が高くなります。そのため、どんなに小さなもらい事故でも110番通報と相手の連絡先などは聞いておきましょう。
「もらい事故」の被害を受けたとき、前述したことを冷静に行うことができない場合があります。
とくに、怪我人がいなかったり、クルマへの被害がなかったりした場合、「何もないので大丈夫です」とその場で解決してしまったり、警察への通報をしなかったりすることがありますが、これはNGな行動です。なぜなら、交通事故の被害は時間が経過してから現れることがあるからです。
たとえば、交通事故を起こしてすぐに身体の痛みやクルマの損傷などがなかったとしても、翌日や翌々日に身体やクルマに不調が見つかるということがあります。もし、交通事故が発生したときに警察への届け出をしていなかった場合、保険会社から補償を受けることができなくなります。
身体やクルマの不調の原因が交通事故と関係あるのかという点については、身体の検査やクルマの点検をしなければわかりませんが、因果関係がわかった時に確実に補償してもらうためにも、「もらい事故」の被害を受けたら警察への通報などは確実に行っておきましょう。
