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ジャガーXJ220をぶち抜いたのが「XF」 だと? 常軌を逸した360km/hオーバーの「ロケットスポーツXFR V8」という怪物セダン (2/2ページ)

ジャガーXJ220をぶち抜いたのが「XF」 だと? 常軌を逸した360km/hオーバーの「ロケットスポーツXFR V8」という怪物セダン

この記事をまとめると

■ジャガーは2009年に4ドアセダンとして「ジャガーXF」をデビューさせた

■優れた空力と強力なエンジンをもつXFで最高速チャレンジをするPRアイディアが実現

■アメリカのソルトレイクで「ロケットスポーツXFR V8」は363.2km/hを記録した

ジャガー最速のセダンはどのように生まれたのか

 史上最速というワードにときめかないクルマ好きはいないかと。そこで、メーカー別の最速マシンを探っていると意外な事実を発見しました。

 これまで、ジャガーの最速マシンはXJ220だろうと思っていたら、なんと4ドアセダンのXFにぶち抜かれていました。349.4km/hというXJ220に対し、363km/hと文字どおりのぶっちぎり。XFのことを見直すことしきりとなった次第です。

 ジャガーXFは、2007年のフランクフルトショーでデビューしたコンセプトカー「C-XF」を、2009年にほぼそのまんま市販車にした4ドアセダン。V6とV8、そしてディーゼルエンジンが用意され、ハイエンドモデルにはスーパーチャージャーも装備されました。

 モダンなスタイルで懐古主義者からの評判は高くなかったものの、チーフデザイナーのイアン・カラムは初代XJをモチーフとしたフロントグリルや、リヤピラーはXKシリーズ、ヘッドライトはジャガー伝統の丸目4灯など随所にエッセンスを盛り込んでいます。

 また、そうしたレトロスタイルを取り込みつつ、ジャガーの市販車としては最高のCd値0.29およびフロント・リヤのゼロリフトを実現しているのは見事としかいえません。

 空力的に優れていて、強力なエンジンもラインアップしていたことから、XFの最高速にフォーカスしたPRアイディアが社内からもち上がったのは当然の流れ。提案したのは、1990年にジャガーに入社して30年以上ホイットリーの開発センターに勤めた、チーフエンジニアのデヴィッド・ムーアでした。

 エキスパートドライバーでもある彼はXFの潜在的なポテンシャルに注目し、スペシャルマシンのプロジェクトを提案したのでした。

 ムーアいわく「当時のジャガー上層部は、皆ジャガーを愛する人ばかりでしたから」とゴーサインの出たあとでコメントしています。もっとも、最初に苦労したのはカスタムするベース車両探しだったとのこと。なにしろ、XFは発売直後から生産が追いつかないほどの人気を博していたので、どこにもクルマがない状態だったのです。

 ようやく実験室に残っていたテスト車両を見つけると、開発センターのエキスパートたちの協力をもとに、「まずはエンジンのリファインからはじめ、分解して組みなおすことからスタートしました」とのこと。このあたりは、レーシングエンジン作りのデフォルトであり、ムーアにとってはお手の物といったところでしょう。

 ジャガー製エンジンのなかでも最高傑作の誉れ高いAJ133 V8はもともとポテンシャルの高い設計で、とりわけ耐久性は「このままル・マンで24時間走れる」ほどだったとか。ここに、スーパーチャージャーの老舗、ルーツのスペシャルパーツが組み込まれるのですが、これまた開発センターのエキスパートが秘密のアイディアを提供。耐久性に加えて、抜群のパワーを得ることに成功しました。

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