
この記事をまとめると
■不良グループが解散式というのを警察署で実施した
■「けじめ」をつけさせ新たな人生への一歩を踏み出させるキッカケ作りとしている
■マスコミや保護者なども呼ぶことで再び同じ過ちを犯さないような仕組みとしている
解散式ってなんだ?
2025年の夏に、名古屋市の不良グループ「ルシファーズ」の解散式が、愛知県警熱田署で開かれたというニュースがあった(2025年7月)。リーダーの年齢が47歳(傷害罪などで公判中)とのことで、「不良グループ」というフレーズに違和感があったが、それはともかく、「警察署で暴走族の解散式」のニュースはこれまでちょくちょく報道されてきた。
でも、よくよく考えると、なぜ暴走族、不良グループの解散式をわざわざ警察署で行うのか?
調べてみると、これも警察による総合的な少年非行防止対策の一環らしい。
たとえば、平成15年に非行集団特別捜査隊を設置した警視庁でも、非行集団の解体を宣言する解散式を実施。暴走族活動からの「けじめ」をつけさせ、新たな人生への一歩を踏み出させることが大きな目的であり、非行集団からの離脱を促すとともに、非行集団への加入を阻止し、離脱した少年が非行集団へ戻らないことなどを狙っているとのこと。
解散式では、特攻服や凶器などを没収し、保護者への謝罪などを行い、「今後一切まわりに迷惑をかけない」といった決意を表明させるのが通例。立ち会った警察署長などからの訓話もある。
警察署という公的な場所で、家族や、ときにメディアも同席し、公に解散を宣言する意義は大きく、暴力団や反社会的組織から組織的な関係を断ち、再結成を物理的・心理的に難しくする効果があるといわれている。同時に保護者への啓発や、更生への協力を促す意味もある。
警察では解散式以降も、非行集団から離脱した少年の社会参加活動の支援に取り組んでいるところが多く、地域と連携して、少年非行防止の実質的な対策として機能している面があるのは間違いないようだ。
