
この記事をまとめると
■人や車両の進入を制限するバリケードは金属製パイプが使用されていた
■近年ではバーや足がプラスチックになった汎用性の高いバリケードが登場している
■工事現場のアイテムたちも時代とともに進化している
目からウロコのアイデアで工事現場を守る「曲がるバリケード」
イベント会場や工事現場で、人や車両の進入を制限するときに使用される単管バリケード。従来のタイプは、バーになる金属製パイプとそれを支える足(主に「A」のような形)で構成されているものが多い。パイプは、足の頭頂部と中央部にある横バーの受け手に設置する。たいへん頑丈で、いかにもバリケードといった威圧感があるといえよう。
ただ、金属パイプは足場で使用されるものと同じであるため、1本4mで約11㎏の重さがあり、軽量タイプでも8㎏を超える。長さの調整が難しいことに加えて、横1列に長いバリケードならまだしも、曲線部があると設置に苦労する。以前は足も金属製が多かったが、現在はプラスチック製で軽量化が図られており、なかには動物などのキャラクターを模したものがある。
バリケードにはさまざまなバリエーションがあり、ポピュラーなのは折りたたみ式A型バリケードと呼ばれるものだ。これは、その名のとおり折りたたみ式だから、持ち運びや設置・撤去が簡易な上に、金属製なので安定感がある。基本的には単体で使用することが多く、道路全体の閉鎖などには向いていない。移動が簡単なので関係車両入口などで使用することもあるが、こういった場所には出入に特化したバリケードとして、蛇腹式のものを使うことが多いようだ。
ほかにも設置型のフェンスを使用してバリケードにすることもあるようだが、いずれもある程度用途が限られているため、さまざまなシチュエーションが複雑に存在する現場では、やや汎用性に欠ける感が否めない。そこで、設置の簡便さと汎用性に優れた、カラーコーンとコーンバーを組み合わせたものが重宝されているのだが、これで車両を停めるには不安が残る。
このような現場の悩みを解決するべく、斬新なアイディアのバリケードが登場した。それが、曲がるバリケードである。その仕組みは難しいものではなく、支柱にはバーを通すために上下2か所の穴が開いた専用カラーコーンを用い、プラスチック製のバーをそれぞれその穴に通す。ポイントになるバーの接続部には、フレキシブルバージョイントを使用。このアイテムが自在に曲がることで、バリケードの角度を自由に変えることができるのだ。
タネを明かせば「コロンブスの卵」だが、これによりバリケード設置の自由度は格段に向上したといえる。このフレキシブルバージョイントは稼働角度が広いため、鋭角・鈍角のいずれにも対応が可能。現場のさまざまなシチュエーションに応じた要望に、対処することができるというわけだ。
メリットはそれだけではない。バリケードの構成が、専用カラーコーン・バー・ジョイントの3つだけで、設置の際にとくに工具を用いる必要がない。しかも軽量なので1度に多くの資材を運ぶことができるから、設置に時間や労力を多く割かなくて済むのだ。軽量な専用のカラーコーンとバーでは安定感に不安があるように思えるが、コーンにバーを差し込む方式なのでその点は安心できる。
工事現場などで使用するアイテムも、日々目覚ましい進化を続けているようである。
