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「事故は運転者の責任でしょ」ってワケにはいかない! 社用車で事故ると会社も責任を負う必要アリ

「事故は運転者の責任でしょ」ってワケにはいかない! 社用車で事故ると会社も責任を負う必要アリ

この記事をまとめると

■社用車で交通事故を起こした場合でも運転手はさまざまな責任を負う

■就労時間内の事故の場合は会社にも責任が及ぶ場合がある

■対応を疎かにすると会社の経営が傾くリスクもある

ただの事故では済まされない!?

 ニュース映像を見ていると、会社のクルマ(いわゆる社用車)で交通事故を起こしているシーンを目にすることがあります。社用車で事故を起こしてしまった場合、その責任は運転者になるのでしょうか。それとも労災扱いとして、会社が負担することになるのでしょうか。

 今回は、社用車で事故を起こしてしまったときの責任について解説します。

業務時間中での社用車の事故は運転者と会社の両方が責任を負う

 結論からいうと、業務時間中に運転していた社用車で交通事故を起こしてしまった場合、運転者だけでなく、会社も事故の責任を負うことが原則になります。

 社用車を運転していた運転者は、民事上の責任、刑事上の責任、行政上の責任を負わなければなりません。このように聞くと難しく感じるかもしれませんが、わかりやすくいい換えると、プライベートの時間に交通事故を起こしたときと、同じ責任を負わなければならないということです。

 つまり、自家用車であっても社用車であっても、基本的に交通事故を起こした車両を運転していた本人が事故の責任を負うこととなります。

 ただし、業務時間中に社用車で交通事故を起こした場合、その車両の運転者である従業員を雇っている会社にも責任があると判断されます。そのため、社用車を運転していた運転者がケガをした場合は労災がおりたり、クルマなどを壊してしまった場合は会社が加入している保険で修理したりするのが一般的です。

 ではなぜ、社用車とはいえ運転していた人が起こした事故に対して、会社も責任を負わなければならないのでしょうか。

会社は従業員と連帯責任で損害を負担することになる

 会社は、雇っている従業員と連帯責任という形で責任を負わなければなりません。そのため、従業員が社用車で交通事故を起こした場合、その責任を会社も負担することになるのです。

 前述したように、運転していた本人がケガをした場合の治療費や車両の修理費などは、会社が負担することになります。また、被害者の入院・治療費、相手のクルマの修理費なども、会社が負担する場合がほとんどです。

 ただし、交通事故の原因によっては、会社の責任にならず、運転者本人が事故の責任を負わなければならないこともあります。たとえば、故意に事故を起こしたり、飲酒運転をしたりした場合などです。

ひとつの事故が会社の信用にもつながることがある

 社用車で交通事故を起こすと、従業員と会社の両者が責任を負わなければなりません。それだけでなく、社会的信用にかかわることもあります。

 たとえば、クルマ関係の仕事をしている人が交通事故を起こしてしまった場合、当事者(運転者であり従業員)だけでなく、その従業員が勤めている会社も、対応に問題があると「本当に大丈夫?」という目で見られてしまうことがあります。

 つまり、交通事故は、社会的信用も失ってしまう可能性があるということです。

 社会的な信用を失わないようにするために、従業員は社用車の運転中に交通事故を起こさないよう、さまざまな危険を予測しながら運転するクセを付けておきましょう。

 また、従業員が社用車で交通事故を起こさないようにするために、会社は従業員に対して交通安全に関する講習を受けさせたり、過労運転や脇見運転などをするとどうなるのかといった教育をしたりすることが大切です。

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