
この記事をまとめると
■日本でもカングー・ベルランゴ・リフターは根強い人気を誇っている
■ロングボディのグランカングーがいよいよ日本でも買えるようになる
■ライバルよりもひとまわり全長が長いグランカングーは最大3750リットルの荷室を誇る
グランカングーはライバルたちよりもひとまわり大きい
ミニバンやハイトワゴンがあふれるほど多い日本で、根強い人気をもっているのがフランス生まれのルノー・カングー、シトロエン・ベルランゴ、プジョー・リフターの面々。正確にはベルランゴ/リフターと基本設計を共有するフィアット・ドブロもあるので、イタフラというくくりになるけれど、4車種もあるのはそれだけ注目されているからだろう。
でも、カングーとステランティスの3兄弟とでは、ラインアップが微妙に違っていた。エンジンは、3兄弟はディーゼルのみなのに対してカングーはガソリンも選べるが、ボディは逆にカングーは1種類。ベルランゴ/リフター/ドブロはすべて標準ボディとロングボディがあった。
ちなみに欧州では、パワーユニットは4車種ともEVがあり、ベルランゴとリフターはそれしか選べないが、ドブロはディーゼルだけでなくガソリンの用意もあってカングーと同じ。一方ボディはカングーにも、長尺のグランカングーがある。
じつはカングー、欧州では初代からロングボディがあった。このときは商用仕様のみで、リヤオーバーハングを伸ばしていただけだったが、2代目ではホイールベースが延長され、3列シートが用意されることになった。
そのグランカングーがいよいよ、日本でも買えることになった。来年2月に特別仕様車として発売されるとのことで、価格はまだわかっていないけれど、ステランティス3兄弟のロングボディと比べて選べることになる。
ボディサイズはまだ発表されていないので、欧州仕様のそれを紹介すると、全長は4910mm、ホイールベースは3100mmとなっていて、日本仕様の標準ボディと比べるとそれぞれ420mmと385mm伸びている。つまり、ライバルよりもひとまわり長いことになるが、トヨタのアルファード/ヴェルファイアよりは短いので、日本の道でも巨大ということにはならないだろう。
注目はスライドドアが標準ボディより大きく開くこと。ステランティス3兄弟は標準ボディと共通なので、3列目への乗り降りなどでアドバンテージになりそうだ。
2列目と3列目のシートはすべて、スライド、リクライニング、取り外しが可能なので、いろいろなレイアウトを試せる。しかもフロアは映画館のように後ろに行くほど高くなっているから、どの席に座っても見晴らしは確保されていそうだ。
欧州仕様の荷室の容量は、7人乗りの状態でも500リットルで、後部座席を取り外し助手席を折り畳めば、じつに3750リットルまで拡げることが可能。このときの荷室長は3.11mに達するという。これらも日本仕様ベルランゴのロングボディを上まわる。
パワーユニットは標準ボディにも積まれている1.3リッター直列4気筒ガソリンターボで、7速DCTが組み合わされる。日本より流れの速い欧州でもこのスペックの車両を売っているので、パフォーマンスは問題ないのではないだろうか。さらに、日本仕様ではアウトドアシーンを想定して、悪路での走破性を高めるエクステンドグリップとオールシーズンタイヤが標準装備されるという。
標準ボディをライバルと乗り比べた印象では、カングーのほうがはるかにドライバーズカーだった。そのキャラクターを受け継いでいれば、運転も楽しめる7シーターという、現在では稀有な存在にもなりそうだ。
