
この記事をまとめると
■軽自動車は「税金の負担が軽い」として名付けられた
■現代の軽自動車のなかには車重が360cc時代の倍以上になっているモデルもある
■BEV化やインバウンドの増加により軽自動車も変化することを問われている
軽自動車でも車両重量が「軽い」わけじゃない
日本の国内新車販売市場で全体の4割に迫ろうかとの勢いで売れているのが軽自動車。「軽自動車だから燃料は軽油」として軽油の誤給油が発生したという都市伝説のような話があるが、実際に全国レベルでは月に数百件も起こっているとの話も聞いている。
そもそもなぜ軽自動車というのかAIに聞いてみると、「税金の負担が軽いから」という回答が出てきた。軽自動車のボディや排気量規格は登録車のそれに比べれば極端に小さいので、車両重量も軽いのではと思ってしまうのだが、日本一売れているクルマでもあるホンダN-BOXをみると、2WD仕様の廉価グレードでも910kg、4WDにいたっては一般的なモデルで1トン台になる仕様も存在している。登録車のトヨタ・ルーミーの4WD車で1140㎏となり、気がつけば軽自動車でも売れ筋のスーパートールタイプでは1トンに迫ろうかというレベルになってきているのである。
筆者が小学生のころ(バリバリの昭和)の軽自動車は360㏄の時代。当時、公団(いまのUR)の団地に住んでいたのだが、ときおり行儀の悪い軽自動車の放置車両が邪魔をして、ほかの車両が道路を通り抜けることができないことがあった。そんなときは居合わせた大人の男性数人で軽自動車をもち上げて、邪魔にならないように移動させていたのをいまも覚えている。
また、あくまで伝聞ではあるものの、軽三輪トラックは前輪が1輪しかないこともあり不安定で、減速が十分できないなか交差点に進入して曲がろうとしたときによくこけた(横転していた)とも聞き、そんなときには居合わせたひとが起こしていたとも聞いている。
360㏄時代の軽自動車の重量を調べてみると、スバル360で385㎏、550㏄で47万円の車両価格で一世を風靡した初代スズキ・アルトでも540〜560㎏であった。その昔は文字どおり車両重量が軽いから軽自動車と呼ばれているという説もあったが、現状の660㏄軽自動車では「税負担が軽いから軽自動車」というのが馴染みやすいともいえよう。
