
この記事をまとめると
■子ども用と見間違えてしまうほどの極小サイズのショベルカー「コマツPC01」
■PC01には1991年にホンダとの共同開発によって電動化された「PC01E」もある
■PC01Eの重量は330kgで巨大ショベルカー「PC4000」の約1187分の1となる
世界最小クラスのショベルカー「コマツPC01」
あるイベントで「港で働く重機」の展示があると聞いてさっそく向かってみることにした。大型フォークリフトやリーチスタッカーが間近で見られるチャンスだと思ったからだ。そして会場に到着してすぐ、道路に重機が並べられているのを発見した。そのなかでも注目したいのが「コマツPC01」というショベルカーだ。このPC01は、最初に見たときに、イベントだから子ども用のおもちゃのショベルカーが展示してあるんだなと本気で思ったくらい小さいのだ。その小ささからマイクロショベルと呼ばれるが、小学生ほどの体格の人が乗っても何ら違和感がないくらいだ。
こんなに小さなショベルカーとはいったいどんな性能をもっているのだろうかと調べてみることにした。
まず最初にお断りしておくと、今回のイベントで並べられていたのは「PC01E」というバッテリー駆動のモデルだ。このPE01Eは、1991年に発売されたPC01の後継機ということになる。元祖マイクロショベルのPC01は30年以上デザインを変えずに、進化し続けてきたロングセラーだ。PC01Eとの最大の違いは、動力がガソリンということだ。そのため、バッテリー駆動となった新しいモデルはPC01のあとに「E」が付くというわけだ。
非常にコンパクトな車体だが、どれだけ小さくても人が乗って動かすことを前提に製作されている。そのため、幅は580mmに設定されているが、これは操縦者の肩幅を考慮しているからだ。さらにPC01の設計には驚くような工夫も詰め込まれている。それは小さなボディで重いものを運ぶときのバランスを考え、人間がカウンターウエイトになるように設計されているのだ。
ではもう少しPC01の歴史について触れておこう。バッテリー駆動のPC01Eは2024年8月にPC01E-2へとモデルチェンジしている。そして、このモデルはコマツとホンダの共同開発によって誕生した電動マイクロショベルなのだ。
さらに、PC01Eからの改良点として、後部のスリム化やバッテリーを2個から1個に減らすなどの改良も施され、全長を約20cmコンパクトにしながらエンジン車であるPC01-1以上の安定性を実現し、使い勝手のよさを向上させている。
ちなみに以下のようなホンダの技術がPC01E-2には使われている。
着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e」と電動モーターやコントロールユニット、インバーターなどが含まれる動力源「eGX」はどちらもホンダの開発によるものだ。
では逆に巨大なショベルカーも見てみよう。同じコマツの製品でPC4000というショベルカーがある。世界に一台だけというPC4000だが、その重量は392トンという規格外サイズ。一方でPC01Eは重量330kgなので、単純に計算するとPC01E-2が約1187台集まるとPC4000の1台分の重量となる。ちなみにPC4000の最高速度は約2km/h、PC01E-2が1.3km/hとなっている。
見たことがない人からすれば「穴とか掘れるのか?」と思ってしまうほどコンパクトなのだが、これは実際に見てもらうのが一番だろう。
最後になったがコマツPC01Eの重さは330kgなので軽トラックにも積載できるのも大きな特徴のひとつ。小まわりも利くので小規模な土木の現場や道路整備などで使われることも多いので、注意して見ていれば、意外と発見できる機会も多いかもしれない。
参考資料:https://www.komatsu.jp/ja
