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違反は取り締まらないけれど犯罪捜査には使われる! そこかしこでクルマの画像が撮られている「Nシステム」ってなに?

違反は取り締まらないけれど犯罪捜査には使われる! そこかしこでクルマの画像が撮られている「Nシステム」ってなに?

この記事をまとめると

■Nシステムはナンバーを読み取る装置だ

■全国に1700カ所ほど設置されており犯罪捜査などに役立てられている

■凶悪犯罪などから国民を守るために活用されている

Nシステムの役割とは

 オービス(速度違反自動取り締まり装置)は知っているし、それに注意を払っている運転者も、Nシステムはよく知らないかもしれない。

 Nシステムの「N」は、ナンバープレート(自動車登録番号票)を指し、これを読み取る装置である。2015年時点で、日本全国に1700カ所近くに設置されているという。

 構造としては単純で、道路脇に支柱を立て、左右の支柱の間に渡された桁にカメラのような小さな装置が取り付けられている。これで、桁の下を通過するクルマのナンバープレートを全車撮影し、記録している。

 目的は、犯罪捜査に使われる。科学警察研究所の発案とされ、検問などで車線が規制され渋滞が促されるのを避けながら、犯罪で使われたクルマや盗難車などの移動経路や行き先を探知することができる。またナンバープレートがわかることで、所有者などの情報も明らかにできるという仕組みだ。

 ただし、前面にナンバープレートを装着しない2輪車には適応しない。

 最近では、有料道路の料金所などで、ナンバープレートだけでなく、搭乗者の顔を写せる機能を備えたものもあるという。

 設置場所は、主要な道路や料金所のほか、県境、あるいは原子力発電所や空港などの重要施設などの周辺だ。

 Nシステムの情報は、Tシステム(旅行時間測定システム)との組み合わせで、移動時間の把握に使われることもある。Tシステムは本来、目的地への到着予想時間を示すことに使われるが、Nシステムと組み合わせて犯罪捜査に使われたことがあるという。

 いずれにしても、Nシステムによって主要な道路や都市部など繁華な地域、あるいは高速道路での移動などでは、犯罪の有無にかかわらず、誰でも移動の様子が明らかにされる。いわば管理社会のひとつだが、Nシステムに限らず今の時代はあらゆる情報機器を通じて、個人の行動が監視されているともいえる。

 防犯カメラもそうであるし、そもそもスマートフォンをもつこと自体、GPSが装備されるので、電源を入れてGPS機能をONにしていれば、行動は第三者にすべて明らかになっている。

 それは個人情報ではあるが、同時にまた、地図情報を手もとで得られるし、道案内もスマートフォンひとつでしてくれる。クルマでも、カーナビゲーションの代わりに利用でき、高額な純正カーナビゲーションを装備しなくても、移動に不自由しない時代だ。

 管理社会が行きすぎても課題が生じるが、もはや、移動通信を日常に受け入れた時点で、個人情報の保護に漏れが生じている。Nシステムは、個人の携帯通信ではないものの、凶悪犯罪などでの逃走を許さず、安心な社会を維持する手段でもあり、過去にそうした実績が積み上げられている。

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