
この記事をまとめると
■アウトドアや農業関連で四輪バギーが注目されている
■全国の消防や警察でも走破性が高い観点からバギーが採用されつつある
■自然災害の多い日本との相性がいいとされており全国で待機している
災害には走破性の高いバギーが全国で待機中
近年、アウトドアレジャーの拡大や農業用途などでの需要増加にともなって、ATV(全地形対応車両)、とくに四輪バギーの市場が伸びているのをご存じでしょうか。もっとも大きな市場は北米で、今度さらに拡大が見込まれています。
日本では公道で見かけることが少ないため、あまり馴染みがないかもしれませんが、じつは私たちの暮らしの安全を守る重要な役割を果たすバギーが少しずつ増えています。東京消防庁をはじめ、地方自治体の消防局に配備されている真っ赤なバギーや、警視庁・警察本部に配備されているブルーのバギーです。
きっかけは、2011年に起こった東日本大震災。その際、地震による地形変動や津波による浸水などで行手を阻まれ、救助活動に難儀した教訓を踏まえ、2014年頃から水陸両用バギーの配備が進められました。その後、頻発する自然災害に対しての消防体制を強化すべく、東京消防庁に「即応対処部隊」が創設され、2020年4月から運用を開始。オフロードをはじめとする地形を選ばない機動力の高さを生かし、災害が起こった際にはいちばんに被災地へ乗り込むバギーの導入が進められているのです。
どんなモデルなのかというと、まず四輪バギーでは米国ポラリス社の「レンジャー」。通常の車両では進入が困難な場所へ真っ先に向かい、部隊を指揮するために必要な情報収集体制を確立するという重要な役割を担います。999ccのエンジンでふたり乗り。傾斜30度でも登坂可能で、40cm程度の浸水地や瓦礫が散乱した道路、ぬかるみ等の悪路も走行でき、タイヤをクローラーに交換することでタイヤでは走行が難しい悪路にも対応できるようになっています。
もうひとつ、カワサキのシャシー「MULE PRO」にモリタが艤装した「Red Ladybug(レッドレディバグ)」も活躍中。走破性と機動力に長けているオフロードバイクと、コンパクトで一定の輸送力を備える軽消防車の利点をかけあわせ、自然災害の現場はもちろん、下町などの入り組んだ路地における一般建物火災にも対応するために誕生したモデルです。こちらは812ccのエンジンで3人乗り。傾斜30度の登坂性能や水深40cmまで走行可能なタフさに加え、牽引質量907kgを活かして救命ボートの牽引などにも活躍しています。
