
この記事をまとめると
■ランボルギーニ・ムルシエラゴはディアブロの後継車として発表された
■カウンタックを彷彿させる可変式リヤクォーターパネルに多くの者が興奮した
■ムルシエラゴは生産終了となる2010年までに数多くの派生モデルが誕生した
動揺がおさまらないIAAで発表されたランボの新モデル
2001年9月11日という日付を聞けば、誰もがまず思い出すのは、アメリカのニューヨークを中心に甚大な被害を巻き起こした、いわゆるアメリカ同時多発テロではないだろうか。それが発生した時間、ヨーロッパはすでに午後であり、筆者はニューヨークからの衝撃的な映像を、ある高級車の車載モニターで見ていた記憶がある。
その日、そのとき、私はヨーロッパ最大級のモーターショーである、IAA(フランクフルトショー)を取材していたのだ。会場は驚愕とともに動揺した雰囲気にさえ包まれ、多くのメーカーの首脳は即座にフランクフルトを離れる決断を下した。次に狙われるのはこのIAAではないかという噂さえも流れていたし、航空便が混乱することも確実だったからだ。
そのような混乱のなかで行われた2001年のフランクフルトショー。ここではもちろん数多くのニューモデルがワールドプレミアされていたが、そのなかでも主役のひとつとなったのが、ランボルギーニがそれまでのディアブロの後継車として発表した「ムルシエラゴ」だった。
ディアブロ6.0SEの項でも解説しているとおり、ムルシエラゴは1998年に新たに親会社となったアウディが、ランボルギーニがそれまで「L147」のプロジェクトコードで開発を進めてきた次世代12気筒ミッドシップの計画を白紙撤回し、改めてドイツのインゴルシュタットにあるアウディスタイリングセンターで、エクステリアとインテリアのデザインを見直すことで誕生したモデル。
このときデザインを担当したルーク・ドンカーヴォルケは、先日設立20周年を迎えたランボルギーニのチェントロスチェィーレの初代チーフ・スタイリストにも抜擢されている。
ディアブロと比較すると、さらにスーパーカーとしての魅力的なアピアランスを誇るムルシエラゴのボディは、同時に卓越したエアロダイナミクスを実現したものだった。リヤクォーターパネルは走行条件によって、さらに高い冷却性能を必要とする場合にはライズアップする可変式で、ランボルギーニはそれをVACS(バリアブル・エアフロー・クーリング・システム)とネーミングした。VACSがライズアップしたときの姿が、あのカウンタックのエアインテークを彷彿させてくれるのはうれしい。
リヤに備えられるこちらも可変式のウイングや、こちらはミウラのそれからインスピレーションを得たとも思われるエンジンカバー上のルーバーなど、ムルシエラゴのエクステリアには、じつに多くの魅力が秘められていたのだ。Cd値はリヤウイングがクローズした状態で0.33と発表されていた。
