
この記事をまとめると
■1月26日は文化財防火デーで文化庁と消防庁を中心に文化財の防火運動が行われる
■火災時に必要なのは消防車とホースと問題なく通せるように道を塞がないことだ
■消火栓などは5m以内駐車禁止であり標識の補助条件では解除されない点も要注意である
防火について考えるきっかけとなる日
1月26日は「文化財防火デー」である。きっかけは1949年1月26日、奈良の法隆寺金堂が炎上し壁画が焼損したことだ。さらに、1〜2月は火災が多い時期でもあるため、文化庁と消防庁が協力して全国で防火運動を行っている。
ここで自動車媒体としていいたいことは、火災そのものの話よりも「公道の使い方」だ。火事の現場では、駆けつけた消防車が寄せられるか、ホースが展開できるか、水が取れるかといったことで勝負が決まる。しかし、たった1台のクルマの駐車方法が悪ければ、これらを潰してしまう。
まず覚えるべきは、消火栓付近の駐車禁止だろう。道路交通法には、標識がなくても駐車してはいけない「法定の駐車禁止場所」があり、そのなかに「消火栓・指定消防水利の標識の位置から5m以内」が含まれる。消火栓や防火水槽の上や付近への駐車は、消火活動の支障になってしまうからだ。
ここでありがちな誤解が、「今日は駐車禁止の標識に効力がない日(例:日曜は解除)だから大丈夫」というもの。しかし、消火栓5mの駐車禁止は別枠なので、標識の補助条件では解除されないので注意が必要だ。
観光地や文化財の周辺は、古い道路規格の名残で道が狭かったり、道に不慣れな観光客が運転するクルマによる短時間停車が発生しやすい。こういった地域で、緊急車両が寄せたり曲がったりするスペースがなくなると、緊急走行が妨げられる可能性が考えられる。文化財防火デーでは、実際に各地で消防訓練が行われるが、その訓練の前提となるのはまさに動線の確保だ。
一方で、文化財ではなくもっと身近な存在である、街なかや住宅街ではどうだろうか。人の送迎や物流の搬出入などで狭い道でクルマが止まると、消防車が入れない、ホースが伸ばせない、消火栓にアクセスできないといった問題が発生する。とくに注意したいのが、消火栓の位置が標識ではなく、路面のマーキングやマンホールで示されているケースである。雪や落ち葉で見落とすこともあるので注意が必要だ。
運転手として気をつけるべきチェックポイントをまとめると、以下のような内容になる。
・消火栓/防火水槽/消防水利の標識の5m以内にはクルマを駐車しない
・狭い道での停車では緊急車両が通れるか判断し、なるべくすぐ移動させる
・観光地周辺といった不慣れな地での短時間停車は最初から駐車場に入れる
文化財防火デーは、火の用心を呼びかける日であると同時に、「道をふさがない」という運転手の基本を思い出す日でもある。たったそれだけで、守れるものが確実に増えるのだ。
