
この記事をまとめると
■トラックによる事故の最大要因はタイヤのバーストだ
■残溝とゴムの状態だけでなく空気圧と温度もチェックすることが望ましい
■タイヤの空気圧や温度管理はドライバーの負担軽減やコストダウンにもつながる
トラックのタイヤの空気圧と温度は超重要
「タイヤは乗員の命を支えています」……タイヤを販売する店舗に行くと、店員がこのようなセールストークを投げかけることがある。なかなかインパクトのある言葉というだけでなく、正鵠を射ているといってよい。そこで、ついそのおすすめに耳を傾けてしまい、気が付いたら購入しているといった経験をした人もいるのではないだろうか。
この場合、店員は必ずしも「売れればいい」で適当なことをいっているのではなく、タイヤの状態を見ながら購入を促していることが多い。チェックしている内容は、残溝とゴムの状態だ。これは外観からわかるもので、ドライバー自身がセルフチェックするのも難しいことではない。ところが、タイヤにはもうひとつ注意の必要なポイントがある。それが、空気圧と温度なのだ。
一般道路における車両の故障個所別発生件数では、バッテリートラブル(30%)を抑えてナンバーワンになっているのが、タイヤのバースト(35.3%)である。高速道路に至っては、58.7%で断トツの1位だ。
2024年の高速道路におけるJAF出動事由においても、バーストが2万3986件で2位の燃料切れ(6488件)に大きく差をつけた。トラックの場合、この傾向はさらに顕著だという。もし、輸送中にこういったトラブルが発生すると、到着に遅延が生じて損害が発生するといった重大事にも発展しかねない。
主なバーストの原因は、タイヤの損傷や劣化のほかに外部からの衝撃などによるものもあるが、空気圧不足や過度の摩擦による温度上昇などが影響することも多い。そこで、走行前点検でタイヤの状態を把握しておくことが大切になってくる。タイヤの外傷チェックは目視で行い、空気圧はエアゲージを使用して計測すればよい。
しかし、タイヤの温度は走行している最中に上昇する。空気圧も走行中に減少することがあるのだ。そうなると、リアルタイムでこれらの計測を行なう必要性が出てくる。そこで登場したのが、タイヤの空気圧・温度の管理モニターなのだ。これは、センサーをホイールの内側やエアバルブなどに取り付け、そこで空気圧や温度のデータをモニターやスマートフォンに送信し、監視するといった仕組みになっている。
現在、長距離を走るトラックのタイヤにとって、走行環境は年々悪化しているといってよい。地球温暖化に伴う気温の上昇(100年で2~3度上昇)、都市部のヒートアイランド化による路面温度の上昇(アスファルトで60度を超過)、さらにゲリラ豪雨などによりタイヤへの負担が増加しているのだ。ゆえに、タイヤの状況を常に正しく把握しておくことは大切なのである。
タイヤの空気圧や温度管理を徹底することは危機管理の一環ではあるが、ドライバーの負担軽減やコストダウンにもつながっている。トラックはタイヤが多いので、タイヤゲージによる空気圧チェックは意外と時間を取られる作業だ。また、適正な空気圧の保持は、燃費向上やタイヤの寿命を保つのにも有効である。もし釘などを踏んでパンクしていた場合でも、早期に発見できれば修理することでタイヤ交換に至らずに済む。
日々過酷な環境で「乗員の命を支えている」タイヤ。常にしっかりと状態をチェックすることが肝要なのだといえよう。
