
この記事をまとめると
■R230型メルセデス・ベンツの高性能版としてSL 55 AMGが登場した
■SL 55 AMGの5.5リッターのスーパーチャージャー付きV型8気筒DOHCを搭載
■AMGはSL 55 AMGをスタートに21世紀にさらに大きな飛躍を遂げた
ベースモデルのSL登場とほぼ同時にデビューしたAMG版
2001年8月に、1954年に誕生した初代モデルから数えて5世代目となる新型SLクラス(R230型)のファーストモデル、「SL 500」を発表したメルセデス・ベンツは、翌9月に開催されたフランクフルトショーで、早くもハイパフォーマンス仕様の「SL 55 AMG」を世界初公開してみせた。
ちなみに当時のAMGは、すでにダイムラー・クライスラー社によってメルセデスAMG社名のもとに子会社化されていたが、それまでの慣例からすれば、AMGモデルはその素材となるニューモデルの登場から、さらに若干の開発期間を必要として誕生してくるのが基本的なサイクルだった。その常識を覆して、SL 500とほぼ同時に姿を現したSL 55 AMG。それが世界のスポーツカーファンを大いに驚かせたのは言うまでもない。
この年のフランクフルトショーは、AMGにとってその歴史に残る特別なイベントだった。SL 55 AMGのほかにも、AMGは新開発された6.3リッターのV型8気筒DOHCエンジンを搭載する「S 63 AMG」と「CL 63 AMG」の両モデルが近く発表されることをアナウンス。444馬力の最高出力で始まった、いわゆる「63」系のエンジンはその後、AMGモデルの象徴的な、そしてまた究極的な存在として多くの車種に搭載されていくことになる。
話をSL 55 AMGへと戻すことにしよう。そのエンジンルームに収められたパワーユニットは、これはSL 500用のV型8気筒エンジンをベースに、97mmのボアはそのままにストロークのみを92mmに延長し、正確には5439ccの排気量を得たものだ。ここまではすでに市場に投入されていた「55」系のモデルと変わらないスペックだったのだが、このSL 55 AMGでは、さらにスーパーチャージャーの組み合わせが実現している。
もちろんエンジン内部の構成部品は、その多くがメルセデスAMGによって新たに開発されており、クランクケースの接合には専用のスクリューが使用されるほか、ピストンやカムシャフト、さらにはオイル潤滑のシステム、燃料ポンプなどもSL 500のそれとは異なっていた。70mm径のエンドパイプをもつエキゾーストシステムも、もちろんSL 55 AMGに独自のものだ。
