
この記事をまとめると
■物流業界では正確さと安全性を重視したトラックドライバーによるコンテストが行われる
■勝敗を分けるのはスピードではなく安全運転への意識と技術だ
■パルシステム開催のコンテストでは女性ドライバー2名で参加したチームが総合優勝した
パルシステムが行ったトラックドライバーコンテスト
自動車の競技会といえば、一番にカーレースが思い浮かぶだろう。これは、走行タイムやドライブテクニックを競うもので、アクロバティックなイメージが強い。スポーツと同様に「強いものが勝つ」競技会だ。しかし、コンテストの場合はもっと多面的な評価で優劣を競う。速さも重要な要素だが、正確さや安全性を軽視することはできない。
トラックは、荷物を無事に目的地に届けることが使命である。ゆえに、トラックドライバーのコンテストはそれに沿った競技内容でドライバーの優劣を評価することになる。確かに早く届けることも大切なのだが、その途中で事故やトラブルを起こせば荷物は着荷先に届かなくなる。いくら運転技術に長けていたとしても、荷物を届けられなければ意味がないのだ。
パルシステムの子会社であるパルラインが、傘下のトラックドライバーを対象に行った「第6回パルラインドライバーコンテスト」でも、42名のドライバーが「安全」「正確」な運転をモットーに、日ごろの腕を競い合った。パルシステムは、生活協同組合の連合組織。福島県と関東甲信越地域で事業を展開しており、パルラインはその物流を担っている。
コンテストは2025年11月8日に、神奈川県綾瀬市の自動車教習所で実施された。東京・神奈川・静岡にある14の営業所から、それぞれドライバー2名・コーチ1名がチームを組んで参加している。会場には選手だけではなく、多くの応援者が集まって総勢は240名に上ったという。同グループ社員の本コンテストにかける意気込みの表れだといっても過言ではないだろう。
コンテストはふたつの部門に分かれて実施された。ひとつは「生活物流部門」で、主に利用者に対して配達を行っているトラックを対象にしたものだ。もうひとつは「基幹運輸部門」。物流センターから配送センターに荷物を輸送する、いわば中距離ルート便である。扱うトラックに違いはあるが、どちらも日常的に配送に従事しているベテランドライバーなのである。
競技内容は「走行競技」と「タコつぼ競技」のふたつ。「走行競技」は、スラロームや駐車を想定したコースを走行する。コースを早く通過することは大切だが、肝心なのは乗り上げや接触がないこと。審判員はトラックに顔を擦り付けるようにして、安全かつ正確に走行しているかを確認して採点するのだ。「タコつぼ競技」はタコつぼ型のスペース(袋小路)にトラックを進入させて、そこから無事脱出するまでの時間を競う。この競技は、勝ち抜き戦で行なわれた。
総合優勝は、女性ドライバー2名で参加した昭島センター。個人最優秀賞を獲得したのは、「生活物流部門」が同営業所の比嘉麻衣理氏で、「基幹運輸部門」が相模営業所の時田新一氏であった。大きなトラックが、隘路を走行したり狭い空間から脱出したりするさまは、近くで見ているとその技術力に舌を巻く。
こういった催しを一般にも公開し、職を探している若い人たちに触れてもらう機会を作れば、トラックドライバーという職業の魅力をアピールできるから、リクルート活動の一助になるのではないだろうか。
