
この記事をまとめると
■香港では2026年1月からバス乗客にもシートベルト着用義務が課される
■韓国やタイや台湾では路線バスでも着用が進み観光客も対象となる
■日本は後席義務でも罰せられるのは運転者という制度の違いがある
国ごとの制度差は大きいが安全確保という目的は共通
現地メディアによると、香港では2026年1月25日より、バス、ミニバスなどの乗客は乗車時にシートベルトが装着されている車両ではシートベルトの着用が義務化されることになるとのことであった。これに違反した場合には最高5000香港ドル(約10万2550円)の罰金と、最長3カ月の懲役刑が科される可能性があるとも報じていた。
香港ではすでにシートベルトを客席に装着しているバスが走っているのだが、乗車中にシートベルトを締める乗客が少なかったことから義務化となったようである。さらに、報道では運転士が「シートベルトを着用しろ」などといった指示を出す法的義務はないともしていた。
日本では、路線バスの客席にシートベルトは装着されていないのだが、調べてみると韓国やタイでも一般路線バスにおいても乗車し着席した時にはシートベルトは義務で装着しなければならないとのことであった。路線バスでは義務ではないものの、台湾でも路線バス車両にはシートベルトがすでに装着されている。海外からの観光客も例外なく取り締まりの対象になるケースも多くなっているようだ。
それでは日本はどうなっているかというと、路線バスでは装着されていないのだから当然着用義務はない。ただ、2008年の道路交通法改正により、高速路線バス、貸切バス、マイクロバスにて客席に着席した場合のシートベルトの着用は義務となっている。ちなみにこの道路交通法改正はバスに限ったものではなく、「すべての後席」となっているので、タクシー、そして自家用車の後席に乗ったときも義務装着となる(妊娠中など着用免除となるケースあり)。
香港では着用しなかった乗客自身が罰せられることになるのだが、日本ではバス運転士、タクシー運転士、そして自家用車運転士が罰則適用対象となっているところで大きく異なっている。
空港バスでは、以前はバス停にいるスタッフが車内に乗り込んできて「ベルト着用は義務です」と伝えていたが、最近は発車時に運転士が着用を促す程度となっている。
トヨタJPNタクシーでは、後席乗員がシートベルトを着用していないとかなり目立つ音量で警告音が鳴るのだが、警告音が鳴らないように改造している車両が意外なほど多い。それだけ乗客がシートベルトを着用しないことの現れともいえよう。海外では新興国でもタクシーではシートベルト装着が徹底されており、筆者は海外での体験の影響で、タクシーでもバスでも客席に着席したらシートベルトを必ず着用するようにしている。
筆者の実家に初めてマイカーがきたのは1976年、当時は乗用車の前席ですらシートベルトの着用義務がなかったころと比べれば、世間の安全意識の向上ぶりには驚くばかりである。
バスでは乗客がシートベルトを着用しているか全員を目視で運行中に確認することはまずできない。そのため、各客席で乗客がシートベルトを着用しているか否かを運転席にてモニターで確認できるシステムなども用意されている。
貸切バスが関係する悲惨な事故が報道されることがあるが、シートベルトを装着していたか否かで、乗客個々が受けるダメージも大きく異なることもある。「義務だから」ではなく、自分の命を守るためという観点で、運転席や助手席以外でもぜひシートベルトを着用してもらいたい。
