
この記事をまとめると
■F40・F50に続くスペチアーレとして「エンツォ・フェラーリ」が発表された
■エンツォ・フェラーリは高性能なエアロダイナミクスを予感させるスタイリング
■CFRP製モノコックタブに6リッターV12を搭載して最高速度は350km/h以上を誇った
21世紀スペチアーレは「エンツォ・フェラーリ」から始まった
フェラーリの創立40周年を記念するアニバーサリーモデルとして1987年に発表され、のちに誕生したコンペティション仕様も含めると、トータルで1311台が生産されるに至った「F40」。そして、349台という限定数を掲げて1995年のジュネーブショーで発表。最後の1台を創立50周年となる1997年にデリバリーするという計画のもと生産が開始された「F50」。これらのスペチアーレと呼ばれる特別なカスタマーにのみ販売される限定車の歴史は、21世紀にも確かに受け継がれることになった。
F50に続くスペチアーレの存在が、初めて明らかにされたのは2002年4月、場所は東京の東京都現代美術館だった。フェラーリはここで「FX」とネーミングされた、原寸大のデザインモックアップを世界初公開し、6月にはそれに「エンツォ・フェラーリ」の名が与えられることを発表。実際にこのエンツォ・フェラーリの全貌が、オフィシャルな舞台で明らかにされたのは、9月に開催されたパリ・サロンでのことだった。
参考までにその生産台数は、当初F50と同様に349台と発表されていたが、最終的にそれは399台という数字へと改められた。フェラーリの創業者であるエンツォの名を掲げたスペチアーレは、それほどに価値のあるモデルだったのである。
前作のF50と比較すると、一気に現代的に、そして見るからに高性能なエアロダイナミクスを予感させるエンツォのスタイリングは、当時ピニンファリーナに在職していた奥山清行氏を中心とするチームによって完成されたものだった。
先端にプランシングホース(跳ね馬)のエンブレムが輝くフロントセクションの造形は、その第一印象からも直感できるとおりF1マシンのそれをモチーフとしたもので、フロントスポイラーの中央部からボディの下面に導入されたエアは、アンダーカウルを経てリヤのディフューザーから排出されるまでのプロセスで、300km/h走行時には最大値となる775kgものダウンフォースを生み出す。
さらにリヤには75mmまでライズアップする可変式のフラップも採用されている。シザース式のドアを採用したこともエンツォの大きな特徴だった。
